結納

キレイ学のススメ ~ビューティー23~

ビューティー23|西村有紀子 キレイ学のススメ

妻を愛する技術

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは『スローセックス実践入門』がベストセラーになったセックススクールadam主宰のアダム徳永氏の『妻を愛する技術』です。著者は日本の男性が圧倒的にセックスが下手であるといいます。それは技術的なことではなく、セックスは愛情表現であるという点において、愛を受け取りたい女性の欲求と、排泄をしたい男性の欲求との距離感の違いが問題なのです。結婚は人生のゴールインなどではなく、豊かで幸せな人生を送りためには、パートナーである妻をどれだけ愛することができるかが重要なポイントになるのです。結婚しているすべての男性に、ぜひ読んで欲しい1冊です。夫婦で歩む人生を真面目に考えさせられます。


アンダーラインポイント

人はなぜ結婚するのか?男と女はなぜ夫婦になるのか?それは結婚が、人間が幸せになるために必要なことだからです。人間はひとりでは生きてはいけません。

自分以外の他者と、いかに信頼できる人間関係を築き、結びあっていくかが、人生の大きなテーマのひとつであることは説明を待ちません。では、さまざまある人間関係の中核に位置するのは何でしょうか。それが男にとっては“妻”なのです。

セックスで妻を十分に満足させてあげられていれば、夫婦間のほとんどのトラブルは未然に防げるのです。

あなたも含めてほとんどの日本人は、どんなにお金持ちになってもお金だけでは幸せにはなれないことを、どんなに立派な社会的地位を手に入れてもそれだけでは幸せになれないことを、なんとなくではあっても感じ取っています。それは、すべての人間に共通する幸福の本質は、たった一つしかないことを潜在意識レベルではちゃんと知っているからです。幸福の本質とは何でしょうか。それは“愛し愛されること”です。

気をつけなければいけないのは、結婚=ゴールインという考え方は間違いであるということです。言うまでもなく結婚はおめでたいことであり、ゴールインとは、実を結んだという意味での比喩であることはわかります。けれども、結婚すれば自動的に幸せがおまけで付いてくるわけではないのです。

成田離婚まで極端でないにしろ、結婚をゴールインと考える夫婦に起きる変化は“もう幸せは手に入れたものだ”と錯覚して、何の努力もしなくなるということです。

夫婦は、本質的な幸せを手に入れられる唯一の人間関係です。なぜなら、夫にとって妻は“苦楽を共有できる唯一のパートナー”だからです。

目標は、自他共に認める愛妻家です。それが、あなたが男の幸せをつかむための最良の方策であり、最短の近道なのです。


目次

まえがき
第一章 すべては妻を愛することから始まる
第二章 妻を愛する法則
第三章 妻を愛する日常
第四章 セックスでしか伝えられない愛がある
あとがき

一日に何回キスしていますか?

学校の勉強だけではメシは食えない

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメはテルモ社の痛くない注射針を開発したことででも有名な岡野工業株式会社代表社員を名乗る岡野雅行氏の『学校の勉強だけではメシは食えない!』です。その技術はNASAやペンタゴンからも注目される世界一の職人と言われる岡野氏の仕事に対する姿勢が、痛快な語り口調で語られています。主に、これから社会人になる若者に向けて書かれていますが、実は経営者や、これから独立したいと思っている社会人にとっても学びの多い内容になっています。
人のやらない仕事をする、失敗を重ねることでしか成功に近づけない、という岡野氏ならではの実直な姿勢と、あきらめない意思の強さが、世界的に有名な岡野工業の支えとなっているのです。義理と人情が今忘れてられているアナログ世界の良さを思い出させてくれる1冊です。おススメです!!


アンダーラインポイント

人間関係で何が一番大切だと思う?俺はね、最後は義理人情なんだと思う。最初に井戸を掘ってくれた人を忘れちゃいけないんだよ。その恩を忘れるから、水が出なくなっちゃうんだ。

オールマイティでなくったっていい。何かひとつでいいんだ。他の人にはできないこと、自信を持ってできることを習得しておくんだ。ひとつ芸を持つ、芸人になるんだ。

ラーメン屋にたとえるとわかりやすいかもしれない。行列ができるような人気店のスープの作り方なんか、人に教えないだろう?情報っていうのは、お金と同じなんだよ。
仕事っていうのは結局のところ情報なんだって思うよ。

昔、ある人に言われたよ。「岡野君、こませ(撒き餌)をまかなければ魚は釣れないだろう?人間だって、自分から情報を出さないと、人は寄ってこない。情報は交換するためにあるものなんだ」ってね。

大企業の看板をしょって、でかい顔しているやつって多いだろう?でも、その看板を外したら、誰も相手にしないような人間なんてゴマンといる。地位だの学歴だの肩書きだのを全部とっぱらったとき、はじめてその人の本当の値打ちってものが見えてくるんだ。

そういえば昔、うちの親父が言ってたよ。「お前らはラッキーだ。昔はみんながまじめに働いていたから、いくらがんばってもあまり儲からなかった。だけど今は違う。遊んでいるやつが多いから、ちょっとまじめに働けばすぐに儲かるだろう」って。

教えてもらっているのに給料が欲しいっていうことは、自分から積極的に学ぶ姿勢がなってないってことだよな。貪欲さが足りないんだ。

なぁ、楽な仕事ばっかりじゃ面白くないだろう?誰もやったことのないことをやる。登山でいえば、誰も登ったことのない山を登るんだ。頂上に着いたときにはほんと、最高の気分だよ。

10年、20年もサラリーマンを続けていると、何も疑問を持たない頭に飼いならされて、去勢されちまう。夢や金銭感覚だって、月給サイズになってしまう。まったくさみしい話だよ。

どんなことでも、失敗をしないと成功はない。成功している人は、それ以上に失敗しているんだよ。


目次

まえがき
一章 「人間関係のカラクリ」がわからないキミたちへ!
二章 「自分の夢のかなえ方」がわからないキミたちへ!
三章 「どんな仕事についたらよいか」がわからないキミたちへ!
四章 「成功するためのプラスα」がわからないキミたちへ!
五章 「アイデアの出し方」がわからないキミたちへ!
六章 「人生の壁の乗り越え方」がわからないキミたちへ!

もっと失敗する勇気が持てました。

この人についていきたいと思わせる21の法則

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメはリーダーシップ開発の専門家ジョンC.マクスウェルの『この人についていきたいと思わせる21の法則』です。リーダーシップとは何か、人を引きつける魅力はどのようにしたら身につくのか、が体系立てて簡潔に書かれています。リーダーシップを発揮する立場にいる人以外の人でも、人とのコミュニケーションを円滑に実りあるものにすることができるノウハウですので、ぜひ読んでみてほしい1冊です。そして読むだけではなく書かれていることの意味を考え、自ら吟味し、一つ一つ実行しながら、自分の人格の中に取り込み定着させることで、生き方を一新することができるでしょう。その時にはどんな問題にも立ち向かえるようにきっとなっているはずです。


アンダーラインポイント

人々を引き付け、物事を成し遂げるリーダーになる法則を、あなたは知っているだろうか。言い換えれば、自分の内面を正直に見つめたとき、あなたはそこに自分の夢を実現するのに必要な資質を見出すことができるだろうか。持てる能力を生かしたいなら、あなたは勇気を持ってこの問いかけに答えなければならない。

ハーバード大学医学部の心理学者スティーブン・バーグラス博士によると、たとえ大成功を収めても、そのことがもたらすストレスに耐えられるに人格的基礎を持たない人間は、やがて悲惨な結末を迎えるという。博士は、そういう人物は次の四つの罠のどれかに陥りやすいと指摘している。すなわち、傲慢、孤立感、破滅的な冒険心、不倫である。どれも、弱い人格ゆえに払うはめになるひどい代償だ。

燃えるような情熱を持てば、人びとはあなたが情熱を燃やして活動しているところを喜んで見に来るだろう。

あなたが人のためにできる最善のことの一つは、その人にベストを期待することだ。それがあなたの魅力となり、その人を引きつける。私はそれを「すべての人に10点満点をつける」と呼んでいる。この習慣は、まわりの人たちが自分自身を高く評価するのに役立つだけでなく、あなたを助けることにもなる。

他人に対してできる最も偉大な善行は、自分が持っている富を分かち合うだけでなく、他人が持っている富を本人に発見させることだ。

フランス皇帝ナポレオンは、リーダーのあるべき姿を「希望を売る商人」と表現した。

自分を分かち合うリーダーを人びとは愛する。人の上に立つのなら、自分を分け与えることだ。自分の知恵、資源、特別な機会を分かち合うことだ。

誰も注意を払わないような暗い隅っこまでなぜそんなに丹念に仕上げているのかとたずねられて、ミケランジェロはこう答えている。「神様がご覧になるからだ」

あなたが自分の主義・主張を信じるときにのみ、人びとはあなたを信じる。人びとは人物を信じてから、その人物のビジョンを信じるのだ。

「スピーチの草案を作成するときは、まず、すべての聴衆の心をつかむようなエキサイティングな導入部分を書け、次に、聴衆が行動を起こしたくなるようなドラマティックな要約と結びの言葉を書け。そして、その二つの間に余計な言葉をはさむな」

「われわれはまさしく失われた世代だ。ただし、“迷子の世代”と呼んだほうがいい。日々あくせくして働きながら、どこにもたどり着けない。きょろきょろ周囲を見回してお金を探しているだけだ。それがわれわれの唯一の基準になっている。そこには確固たる信念も倫理規範もない」

「勇気とは、自分の恐れていることをすることだ。恐怖心を抱かなければ、勇気を持つこともありえない」

リーダーとしての地位がその人物に勇気を与えるのではなく、勇気がその人物にその地位を与えるのだ。

リーダーの真価は、どれだけ多くの人びとが彼に奉仕しているかではなく、彼がどれだけ多くの人びとに奉仕しているかによって決まる。与える心とは、自分よりも他の人びとを優先する気持ちのことである。そういう気持ちになれれば、与えることはずっと容易になる。

「風呂に入っているときには誰もがいいアイデアを思いつく。しかし、風呂から出て体を拭き、そのアイディアを実行に移す人はほとんどいない」


目次

はじめに
法則1 人格 岩のように強固な人格を築く
法則2 カリスマ性 この人についていきたい、と思わせる
法則3 不屈の精神 夢想する者ではなく、実行する者になる
法則4 コミュニケーション 孤立無援では何もできない
法則5 能力 自分を高めれば、人はついてくる
法則6 勇気 勇気があれば、百人力である
法則7 洞察力 本質を見抜く力が、問題を解決する
法則8 的を絞れば、鋭くなる
法則9 与える心
法則10 独創性 始めなければ、何も変わらない
法則11 聞くこと 相手の心に触れたければ、耳を傾ける
法則12 情熱 自分の人生を愛する
法則13 前向きな姿勢 出来ると思えば、あなたはできる
法則14 問題解決力 問題をそのまま放っておかない
法則15 人間関係能力 相手とうまくやれれば、相手もあなたとうまくやれる
法則16 責任感 責任を取らずに、上に立つことはできない
法則17 心の安定 自分に不安なリーダーに、人はついてこない
法則18 自己規律 まず自分自身のリーダーになる
法則19 奉仕の精神 前進したければ、人を先に行かせる
法則20 学ぶ心
法則21 ビジョン 見えないものは、手に入れることができない

理想の人物像をこの本の中に見つけました。

脳を活かす勉強法

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは脳科学者、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャーの茂木健一郎氏の『脳を活かす勉強法』です。超難関校の東京藝術大学付属高校から東京大学に進学した著者は、子供の頃から秀才だったわけではないそうです。小学校、中学校、高校とそのつど入ったときは上の下程度の学力であったのが、勉強のコツを掴んだことで、途中から1位を獲得し続けることに成功しています。その成功法則とは、実は脳の効率的な活用の仕方にあったのです。受験勉強をしなければいけない子を持つ親はもちろんのこと、社会人であっても新たな知識を記憶にインプットする極意は知りたいところです。脳に“報酬”を与えながら快感のうちに勉強を進めていくという、全く新しい勉強法です。勉強が嫌いな人も、勉強を好きになる方法論が展開されていますので、必読の1冊です。


アンダーラインポイント

人間の脳は「ある行動をとったあと、脳の中で“報酬”を表す物質が放出されると強化する」という性質を持っているのです。つまり、報酬を得て喜びを実感できた行動を再現し、繰り返したくなる。結果、その行動に熟練していくというわけです。そのカギを握っているのは「ドーパミン」という物質です。

ドーパミンは神経伝達物質のひとつで、「快感」を生み出す脳内物質として知られています。この分泌量が多ければ多いほど、人間は大きな快感、喜びを感じることが分かっています。

大切なのは、ドーパミンによる強化サイクルが回るかどうか。この回路さえ回り始めれば、あとは簡単です。

そもそも、脳の働きの本質は「自発性」です。脳に何かを強制することは、とても難しいのです。脳はポジティブな期待やほめられた体験を、とてもよいものとして受け止めます。

中学生になると、さらに「タイムプレッシャー」を意識して勉強を進めるようになりました。数学の問題を解くにしても、国語の文章問題を考えるにしても、時間を計ってなるべく短い時間で終わらせる。そして、次にやる時は「あと3分早く終わらせよう」と、少しずつ制限時間を短くしていったのです。こうして身についたのは、高い「集中力」です。

つまり他人と自分を比較することでは脳は喜びません。そして「喜び」のない学習は、どんなに努力しているつもりでもなかなか身につかないものです。
脳のメカニズムから考えれば、自分と他人を比較することはデメリットだらけなのです。大切なのは、自分自身の「喜びの感覚」です。

次に「分量」です。
これは学習の作業量を多くする、という意味です。集中力を持続させるには、「ずっと何か作業している」状態をつくることが必要なのです。ボーッと考えているのではなく、とにかく忙しくやる。スピードを上げながら、制限時間の中でできる分量を増やしていくのです。

三つ目は「没入感」です。
集中力を発揮して勉強している時の自分がどんな状態にあるか、思い出してみてください。勉強にのめりこみ、勉強と自分が一体になる感覚はありませんか。

思い立った時に、パッと勉強に入ってしまえばいいのです。そして、勉強を始めたら瞬間的に集中する。これが、忙しい現代社会に生きる僕たちにとっての効果的な勉強のしかた、「瞬間集中法」です。

教科書を開いた瞬間、いきなり集中して勉強を始めるという「細切れ勉強法」も効果的です。

とにかく大量に読み、大量に書き、大量に聞いて、大量の問題を解く。これが、脳に記憶を定着させる唯一の方法なのです。

これからの時代、大切なのは「ものごとを記憶すること」ではなく、記憶した知識をどのように使うかだと思うからです。


目次

はじめに
第1講 脳は「ドーパミン」と「強化学習」が好き
第2講 「タイムプレッシャー」が脳の持続力を鍛える
第3講 「瞬間集中法」で勉強を習慣化させる
第4講 茂木健一郎流「記憶術」
第5講 茂木健一郎の「読書のススメ」
第6講 脳のコンディションを把握しよう
第7講 自分を変える「一回性」に巡り会うには
第8講 偶有性がさらなる脳の発達を促す
おわりに 知の「オープンエンド」時代がやってきた!

没入感を味わえる勉強をしてみたいですね。

なぜかお客様が喜んで契約してくれる魔法の営業プレゼン術

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメはマーケティングサポートコンサルティング株式会社代表取締役吉野真由美氏の『なぜかお客様が喜んで契約してくれる魔法の営業プレゼン術』です。幼児向け英語教材販売のエキスパートとしてプレゼンテーションの研鑽を積み、テレホンアポイントの達人とも言われる著者の、プレゼンに特化したテクニック本です。営業部門に携わっている人には必ず役に立つ内容です。商品の説明をいくらしても売れません。その商品を購入することで開かれるお客さまの未来を語るという、自然にお客様に「欲しい」気持ちを抱かせる話法はどんな業種の営業にも使えます。また心理学的にも有効なこの手法は、日常生活の中でもコミュニケーション術としても私たちの手助けとなってくれるでしょう。美しき営業の形。きれい学を学ぶワーキングウーマンはぜひ読んでみてください。


アンダーラインポイント

お客様の口から現実について語らせると、気持ちが現実的になり、こころざしが小さくなる。
逆に、現実はおいといて、実現したい未来について語らせると、気持ちが大きくなり、こころざしが高くなる、ということに。

ただし、お客様に将来の夢を語っていただくには、営業するあなたがそれを自然に引き出すような質問を準備しておかなくてはなりません。そのためには、お客様が得たい未来像について情報収集すること。

プレゼンに入る最初の5分間で、その人の原動力となる将来の目的や夢、もしくは悔しさ、焦燥感を聞き出し情報収集することがプレゼン成功の最大のテーマだと知ったのです。

お客様は私たちのプレゼンによって商品を買っているのではなく、ご自身の求める未来像・願望を実現させようとしていたのです。

「そうですよねぇ。お金のことって、大事な問題ですよね。でも、お金に余裕があるからやる、っていう方は一人もいらっしゃらないんですよ。
それより、よくよく考えてみたら、お金に余裕のある時って、一生やってこないんです。たとえば、家を買う前は、頭金ためてるし、家を買った後はローンを払っているし。だから、お金があったらやろう、お金がたまったらやろう、と思っていると、一生何もできないんです。」


目次

はじめに
1章 営業で勝つプレゼンには「型」がある!
2章 価格交渉の成功法則
3章 営業交渉で大きく勝つ!駆け引きのテクニック
4章 5つの反論パターンを確実につぶす!
5章 交渉で絶対負けない「話し方」
付録成功するパワーポイントの作り方

あなたの未来をどう変えたいですか?

それでもわたしは、恋がしたい 幸福になりたい お金も欲しい

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは1976年に『限りなく透明に近いブルー』で第75回芥川賞を受賞し、近年では『13歳のハローワーク』で120万部を突破するベストセラーを出している村上龍氏の『それでもわたしは、恋がしたい 幸福になりたいお金も欲しい』です。雑誌「SAY」で連載されていたQ&A他をまとめたもので、読者の率直な疑問に対して、あまりにも著者の回答は秀逸です。村上氏の文学作品は一文が非常に長く、全体的にどちらかというとネガティブな中に小さな光がアクセントというような、決して歯切れの良いものではありませんが、本書は実に著者らしい視点で、バッサリ切っているところが、笑えます。就職したこともないし、仕事や恋愛に困ったことがないと自覚している著者が、あえて答える一般庶民への回答は、決していい人ぶった正義論でないところが、読む価値ありです。質問者が不安の本質を社会や他人にすりかえているところをあっさり見抜き、抱えている問題に実に深く切り込んでくるあたりは、他のエッセイでは決して読めない、人間臭さの肯定論です。個人的にとても好きな1冊です。


アンダーラインポイント

いちばんわかりやすいのは中高年のサラリーマンじゃないかと思います。とくに腕時計とコートはわかりやすい。でも安そうなコートを着ていても、「お金が無いんだろうな」と思うだけで、「ダメな男だ」とは思いません。高そうなカシミヤのコートを着ていても、「お金持ちなんだろうな」と思うだけで、「すばらしい人だ」とは思いません。

非常に貧乏だけど非常に尊敬できるという人は非常に少ない気がします。

ただ、見ばえが大切になった社会では、美容院にお金を使うのはそんなチマチマしたことではない。大切なことなんです。すごく重要なことにお金を使っていると思えば、自分を卑下したり、過小評価したりすることはないと思うんですよ。

必要なのはとりえではなく生きるための技術、スキル、知識だというミもフタもない社会になりつつあります。

もちろん人間は正社員になるために生きているわけではないし、好きな職種だったらアルバイトでもいいわけです。ただし、現状ではアルバイトや派遣や契約社員より正社員のほうがはるかに有利だという事実に目をつむってはいけないと思います。

そもそも「尊敬できない」と「近くにいると不愉快」は違う。ヘレン・ケラーにしてもマザー・テレサにしても、尊敬される人というのは、そうたくさんいないから歴史に残るんです。

神経症に限らず、カゼのようなフィジカルな病気もそうですが、一般的に病気というのは、プカプカと悪いものが浮かんでいて、それが体に乗り移ってきたような感じでとらえられることが多いと思うのですが、人間が病気の中に逃げ込むという考え方もあるんです。

自分はどういう状態だと幸せなのかがわからないと、いつまでたっても他人との比較の中でしか、自分が幸せかどうか判断できないのです。

出会いというのも人間にとってひとつの資産のようなもので、それが多い人と少ない人の間に、格差が現れているような気がします。

ただ、格差意識の危険性はよくわかるのですが、解決は簡単ではありません。六本木ヒルズとか、オシャレなレストランとか、豪華な海外旅行とか、ブランド品とか、そういったものが人生の幸福のすべてだと決めると、貧乏人は永遠に不幸だということになります。ただし、贅沢はむなしいもので本当の価値は別にあるというのは嘘です。
おいしいものを食べるのは気分のいいものだし海外旅行に行くならファーストクラスのほうが楽に決まってるし、ホテルだってきれいなほうがいいんです。
ただし、それだけではないということです。

コミュニケーション能力のスキルアップというと、環境などのNPOに参加してみるとか、たくさん本を読むとか、外国語をマスターするとかですが、その動機が「玉のコシ」でもいいんじゃないですかね。お金はそれほどかからないし。仮に玉のコシには乗れなくても、得るものがあるかもしれないですから。

社会人だから日々が単調だということはありません。家と会社を往復しているだけだけど、毎日がとても面白いという人もいます。仕事にそれなりの充実感があって、信頼できる家族や友人がいて、健康で日々を過ごせたら幸福だと考える人はたくさんいます。

男がおごってくれるかどうかが女の魅力のバロメーターだと考えるなら、それは自分に魅力がないってことですよね。この人とはワリカンだった男も、別の女にはおごっているかもしれないし。


目次

第一章 お金編 お金で信頼は買えないが不幸は回避できる
第二章 仕事編 仕事は充実感を生み生活を支える
第三章 恋愛編 他人のために恋愛するわけではない
あとがき

いつか村上氏と対談してみたいです。

シャネル-最強ブランドの秘密

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメはフランス文学者で現在愛知淑徳大学現代社会学部教授山田登世子氏の『シャネル-最強ブランドの秘密』です。自分のライフスタイルそのままをそっくり商品に変えたと言われているシャネル。どんな男性起業家にも真似のできない女性起業家シャネルのブランドの強さに迫った1冊です。幼少時代を孤児院で過ごしたこと、世界的な富豪であるウェストミンスター公爵と恋人同士であったことなどがシャネル自身の「贅沢」という価値観に多大な影響を及ぼしており、その境遇がそれまでのパリ社交界の常識を根底から覆す、新しいクチュールを生み出す原動力となっていたのです。貧しい出生からパリオートクチュール業界へ殴りこみ状態だったシャネルは、失うものなどひとつも無く、自分の商品の模倣品すら自身のブランド強化に利用する強さを持っていました。そして真の贅沢とは?真のエレガンスとは?を追求し続けた彼女の行き方は、一読の価値ありです。今、逆境にいる人もぜひ読んでみてください。勇気が出ます。


アンダーラインポイント

「モードは芸術ではない。商売だ」

女が女のためにつくりだしたスタイル-シャネル・ブランドの強みは一にかかってそこにある。

派手さを抑えること。この抑制の美学は、時にさらに徹底して「隠蔽の美学」にいたる。つまり、金のかかる素材をあえて隠して裏地にもってゆくのである。その典型があの有名なコートのデザインだろう。

幼いココはパリから遠く離れた寒村で孤独な-そして謎の多い-少女時代を送った。謎というのは、シャネルが孤児だった過去を隠し続け、さまざまな嘘をつくりあげて粉飾したからである。

シャネルにとって、贅沢とは都市の刺激的な「新しさ」とはまったく逆のもの、「昔から必ず続いているもの」である。家具なら歳月に磨かれて黒光りしているもの、服ならば「使い古した」服。農民にとって、市販の「新品」ほど本物から遠いものはない。「貧しい土地に宿命付けられた」人間たちの知恵をその血に継いだシャネルの贅沢は明白にアンチ・ゴージャスであり、アンチ・新品である。

見せかけでないもの、古くから変わらず続いているものが美しい

ここで重要なのは、財産の桁外れな大きさではない。そうではなくて、その財産の総額など、所有者である当の公爵自身が知っていないという事実である。知る意思も必要もないのだから、ましてや自慢する意思もあるはずがない。真に莫大な財産、しかも貴族的な「領地」となればなおさら、人はもはや金銭に換算することもないので、総額など知るよしもない。真の財産は、所有している理由すらないものなのだ。

真の贅沢は、自分の財産の総額を知らない。そして、この無知こそ、まさにウェストミンスター公爵の贅沢の貴族性の証にほかならない。その貴族性がシャネルを感動させたのである。

話は飛んで現代日本のことになるが、一時期、ヒルズ族と呼ばれた成金族が、しきりに時価総額を自慢したことがあった。ウェストミンスター公とはそもそも比較が成り立たないが、公爵の例は、彼ら成金たちの自称「贅沢」の滑稽さを照らしだしてくれる。自分の所有する財産の価値を自慢する彼らが贅沢でないのは、かれらが自分たちの財産額を「知っている」という事実そのものに由来している。

金目のものを自慢しようとして宝石をつけることほどエレガンスから遠いものはない。モダンなエレガンスの創始者であるシャネルは、まずその前に、「嫌いなものを記憶から一掃するために」、金目の宝石を抹殺したのだ。

わたしがイミテーション・ジュエリーをつくったのは、ジュエリーを廃絶するためだった。

この皆殺しの天使は、金目の宝石を「廃絶する」ために偽物をつくりだしたのだ。まさにそれは革命の名に値する。なぜなら、こうしてはじめて、「おしゃれ」と「金」が同義のものでなくなり、エレガンスが財力から独立したものとなったからだ。シャネルとともに、ようやくおしゃれはひとりひとりの「センスの良さ」の問題になったのである。

自分の楽しみのために身につける宝石。金と無関係な戯れ。財力から独立して、誰もが享受できる「おしゃれ」がようやくここに始まったのである。

彼女はファッションが「不滅の創作」から遠ければ遠いほどビジネスになることを心得ていたのだ。モードがストリートに普及してゆくことを心底よろこんだ彼女は、同時にそれこそがファッション・ビジネスの繁栄を意味することをよくわかっていた実業家だったのである。

本質はむしろこういうべきなのだ-偽物が本物を価値化する、と。なぜなら、大量生産があってはじめて、「希少性」がいやがうえにも価値をもつからである。たんなる少量生産は希少性と同じではない。


目次

はじめに
第一章 贅沢革命1アンチ・ゴージャス
第二章 贅沢革命2偽物のチカラ
第三章 著作権無用論マスの思想
第四章 起業家シャネルブランド・ビジネス
第五章 スタイルはライフスタイル
第六章 はたらく女
あとがき

私もデザインはアートではなく、ビジネスだと思っていました。

ビジネスマンのための「数字力」養成講座

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは経営コンサルタントで明治大学大学院会計専門職研究特任教授小宮一慶氏の『ビジネスマンのための「数字力」養成講座』です。先般ベストセラーになった『地頭力を鍛える』と同じような論点かと思っていましたが、読んでみると、こちらの方がより、毎日新聞やニュースで目にする「数字」を使って、世の中の流れをいかにして読むか、に特化した内容です。GDPと私たちの給料の関係や、年金問題5000万件という数が多いのか少ないのかなど、そのものの数字だけではなく、周辺の数字と関連付けることによって、見えてくる経済の動向は、ビジネスマンとして押さえておきたい視点です。
「数学力」は具現化力であり、推理力であり、発見力なのです。数字に弱い女性にこそ、ぜひ読んで欲しい内容です。嫌いだとと思い込んでいた数字が、面白いほど、多くを語り出すはずです。


アンダーラインポイント

ビジネスマンにとっての「数字力」を上げるためには何をしなければならないのでしょうか?
わたしは、次の三つのステップで数字力が上がっていくと思っています。
ステップ1数字を把握する(数字と、その定義や意味することを知る)
ステップ2数字と数字を関連付ける
ステップ3数字をつくっていく

「数字力」というのは、単に数字をうまく扱う力というのではなく、世の中をより深く見、物事を論理的に推論し、把握していくための「ツール」であると同時に、自分の夢やゴールを達成するための「ツール」ともなるわけです。

人は、関心がある数字なら知っています。関心さえあれば、新聞やニュース、日々の会議や書類から、それは自然に目に入ってきます。前著の「発見力」と同じです。逆に言えば、関心のあることしか目に入らない。だから、書類の中の数字の間違いや自分がつくったデータの誤りになかなか気づかない人でも、自分の給料明細の間違いにはすぐ気がつく。関心があるからです。

数字は、これが変わるとどこが変わるかといった、数字の関連を知ることがとても重要です。GDP、それも一人当たりのGDPが増えると給料が上がりそう、そうなれば消費が増えるだろうという具合です。

ビジネスマン、特に、上を目指すビジネスマンなら、GDPに限らず、マクロ経済の数字とミクロ(企業)レベルで言えば、自社の売上げに限らず、それ以外の基本的な数字や経済・会計用語の定義の両方を把握している必要があるでしょう。たとえば、マクロだったら、有効求人倍率とか消費者物価指数とか、ミクロだったら、売上総利益や営業利益とかです。

数値化するということは、物事の究極的な具体化です。そして、何であれ、具体化されたことしか実行されません。

数字というのは、それ自体では何の意味も持たない、ということを知っておく必要があります。なんらかの比較があって、はじめて意味を持ちます。その一つが、「割合」の感覚です。
その数字は、全体の中でどの程度の割合を持つものなのか?
その数字が属する全体の数字はどのくらいなのか?
を考えること。それが重要です。

では、最初の5000万件というのは、この240億件の何%なのか?
全体の中での割合を考えてみました。
まず、1%で2億4000万件。0.5%で1億2000万件ですから、その5000万件というのは、実は、0.2%とか、その程度の数字だったなじゃないかと推測できるわけです。
もちろん、だからミスしてもしかたがないということではありません。逆に、その程度の数字だからこそ、もう疑義のある人の分は、ある程度の確証が取れれば、みんな払ってあげればいいと思うのです。
その0.2%程度のことで、社保庁を解体するとか、自民党の政権が終わるとか世の中全体が振り回されている、そのことがおかしいと思うわけです。

定義を曖昧なまま数字を扱うのはとても危険です。定義を正確に知ることによって、はじめに数字がよく分かるようになります。数字の癖が分かることもあります。
逆に、それを知らないと、数字のトリックに引っかかって損したり、漠然としかものを考えられなくて、判断を間違えてしまったりします。


目次

はじめに
第一章 「数字力」で世の中の見え方が変わる!
第二章 数字の見方七つの基本
第三章 数字力を阻害する六つの罠
第四章 数字力が高まる五つの習慣
あとがき

自分の目標を今すぐ数値化してみます!

賢人の知恵

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは17世紀スペインの哲学者バルタザール・グラシアンの『賢人の知恵』です。著者はF・ニーチェやA・ショーペンハウエル、ラ・ロシュフーコー、森鴎外などに多大な影響を与えたとして有名です。一言でいうと、“西洋版論語”といったところでしょうか。“孝”についてのくだりはありませんが、論語が儒教なら、本書はキリスト教を基にした賢人の処世術です。心をいつも平穏に保ち、物事の本質を捉えるすべを教えてくれます。“善人が損をするのは善良だからではなく、世間を見る目が甘いからだ”と諭すあたりは、最近のベストセラー本に通じる、それぞれの分野のリテラシーを学ぶことが重要だということに重なります。著者の生きた400年前も現在も人間の本質、社会のしくみは変わっていないことの証しとも言えそうです。アジアの概念、論語と比較して読むと面白いです。


アンダーラインポイント

人は自分が学んだすべての賢人の言葉を語り、その努力を通じて自らも賢人となる。これが達成できるのは優れた人物だけだ。まず学び、次に自分の得た知識のエッセンスを教えるのだから。

賢人は、人の好意という後押しがまったくなければ、人生は長く厳しいものだと知っている。

利口な人はつまらない傾向に陥りがちだ。知恵がつけばつくほど、無知な人に対して我慢ができなくなっていく。いったん英知の味をおぼえると、知の不足に満足しがたくなるのだ。

仕える相手がどれほど立派な人でも、すべて言いなりになるのはごめんだ。地位が高いからという理由で相手の短所に目をつぶってはいけない。また、その欠点を真似してもいけない。なぜなら、地位の高い人であれば多少の愚かなふるまいも見逃されるかもしれないが、それを一般人が真似したところで、こちらの場合は見下されるのがオチだからだ。

友人に貸しがあるなら、つまらないことで返してもらわないこと。せっかくの宝をどぶに捨てるようなものだ。

物事がよくわかっている人は、ときには無学にみせることも本物の知恵であることを知っている。
世間知らずになるのではなく、ただそう見えればいいのだ。無学な人ばかりのなかでは、こちらの知性はあまり役に立たない。相手の立場に立ち、相手にわかる言葉で話したほうが得策だ。

こちらを助けてくれる人に、得をしたと思ってもらえるようにしよう。そうすれば、与えてくれた相手はまるで自分が報酬を受け取ったかのように感じる。

自重する心を持とう。どんなときでも激情に流されてはいけない。感情が強く揺さぶられるようなときでもバランスを保てることが、本当に偉大で気高い人の証だ。

感情は心の窓。現実を考えれば包み隠すべきものだ。自分の手のうちを明かすことは確実に負けにつながる。

自分が理解できることはごく普通に思えるから、ほとんど関心を払わないものである。反対に、自分の理解をやや上回ることや完全には把握できないことに、人は敬意を払う。貴重品が貴重なのは、高くつくからだ。

不平を言えば印象を悪くするだけ。激しい感情をものともせず、落ち着きを保っているほうがずっといい。文句を言えば、人に自分の弱みを見せてしまうことになる。ひとつの侮辱が次々と他の侮辱につながるかもしれない。嘆けばもっと哀れに思われてしまう。
賢人は自分の苦難を人に知られないようにする。相手に利用されるのを避けるためだ。

知識はすべてを可能にする。知識がなければ、この世は闇だ。

愚の骨頂は自分の愚かさに気づかないで人を愚か者呼ばわりすること。真の賢人は、ただ賢そうに見えるだけでなく自分の無知に気づいている。


目次

まえがき
1 人とのかかわりについて
2 駆け引きについて
3 会話について
4 知性について
5 自分自身について
6 才能について
7 成功について
8 人生について


“知識はすべてを可能にする。知識がなければ、この世は闇だ。”は『レバレッジリーディング』の“本を読まないビジネスマンは成功しない”と同義語ですね。

ナポレオン・ヒルの人生が確実に変わる習慣

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメはアンドリュー・カーネギーの要請で彼の体験を万人が活用できる成功哲学へと体系化し、ルーズベルト大統領の顧問官も勤めた、ナポレオン・ヒルの『ナポレオン・ヒルの人生が確実に変わる習慣』です。編者はサミュエル・A・サイパート。半世紀以上も前に編み出された不朽の成功哲学といわれる、ナポレオン・ヒルの成功哲学『思考は現実化する』は、トーマス・エジソン、ヘンリー・フォード、からマイケル・ジャクソンまでが成功のバイブルとして信奉したとされています。本書が追求していることはただ一つ、それは“肌の色や宗教、国籍にかかわらず、その人の”脳力“を最大限に引き出して成功に導くこと”です。そして、だれもがこの法則を実践し、自分の中に眠っている潜在能力を現実化することで、心に描いた願いや信念は必ず達成できるのです。必ずや人生を好転させてくれる、数々の珠玉の言葉にぜひ触れてみてください。


アンダーラインポイント

自力でコントロールできる唯一のもの、それが心である。

素晴らしい功績をおさめるには、PMA[PositiveMentalAttitude]、すなわち積極的心構えが不可欠である。

「逆境の中には、すべてそれ相応かそれ以上の大きな利益の種子が含まれている」

PMA実践のための基本的要素の3番目は、給与や期待に見合った仕事をしているだけではだめだということだ。予期しないサービスを提供し、期待以上に働くことを習慣づければ、友人や顧客、支持者たちの心をいくらでもつかむことができる。

元々自分が力を貸していた相手からではなく、まったく予期しなかったところからもたらされることが多い。より大きな報酬を得るための法則がここにある。

積極的なアイディアや計画、目的を、潜在意識が受け入れるまで何度も繰り返せばいいのだ。そうすれば、想像もつかないような力が働いて、信念を現実に変える力を引き出すことができるのである。

自分が他人に求める資質は、結局のところ自分自身に望む資質と同じものである。したがって他人の長所を探す習慣をつけることは、自分自身の長所を伸ばすことにつながるのである。

人に好かれる性格を身につけたければ、言葉や態度だけでなく自分の思考をも常にコントロールしなくてはならないのである。純粋に他人を愛せる人は、それだけで素晴らしい財産を持っているのである。

有史以来ほぼ例外なく機能してきた類な現象、それが代償の法則である。すなわち差し出すものが多いほど、受け取るものも多いということだ。

いつかは必ず自分の元に戻ってくるのである。才能、言葉、態度、あるいは才能や言葉を出し惜しんだこと-すべてはそのままの姿で自分にはね返ってくるのだ。

自分自身の基礎をなす真理に目を向けさせてくれるような人物、あるいは本と出会うチャンスにめぐりあえた人は幸運である。

マスターマインドとは、「2名もしくはそれ以上の人々との協力関係によって、完全な調和のもとに確固たる目標を達成すること」をいう。「同じ志を持つ者の集団」の有益さは自明の事実である。夫と妻が互いに満足し、2人の安らぎと幸福を生み出してくれるような関係を築くために協力しあうとき、円満な家庭は生まれるのだ。

いつかは自分自身の力を発揮すべき時が訪れて、すべてがうまくいく。そう信じながら、一部の要素については「運を天にまかせる」こと、それが信念を持つということなのだ。