結納

キレイ学のススメ ~ビューティー12~

ビューティー12|西村有紀子 キレイ学のススメ

わたしが口紅をつけた理由

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは米国の女性をターゲットとした放送局ライフタイム・テレビジョンの広報責任部長ででもあり、同テレビ局の乳がん撲滅委員会のメンバーでもあるジェラリン・ルーカス氏の『わたしが口紅をつけた理由』です。
先日都内で行われた乳がん撲滅キャンペーンのピンクリボンイベントで、著者が来日し、メッセージ入りの本書を貰いました。著者は27歳で乳がんを宣告され、片側の乳房を除去後、放射線療法に専念。難しいといわれていた、妊娠出産を経験し、2児の母としてすばらしく輝いているスーパーウーマンです。アメリカでは女性の8人に一人が乳がんと診断されています。乳がんに関心を持ち、早期発見することが私たち自身の命を守ることになります。
がんの宣告を受けてから著者がどんな選択をし、どのように治療を乗り越えてきたかをユーモアを交えて紹介しています。同じ女性としてぜひ、読んでおきたい1冊です。


アンダーラインポイント

待ち受けているのは究極のストリップなのかもしれない。
まず、乳房を切り捨てる。次に髪が抜け落ちる。そうしてはぎ取るものが何もなくなったところで、下から別のわたしが現れるかもしれない。いままで知らなかった自分を発見できるかもしれない。それは、意外と美しいのかもしれないし、目をそむけたくなるのかもしれない。
すべてをはぎ取られたとしても、わたしは生き続ける。生き続けてみせる。

「心のままに生きるというのは、勇気がいることなの。自分の恐怖心にも敬意をはらいなさい。」と、その催眠療法士は言う。Courege(勇気)という単語の起源はCoeurで、心(Heart)という意味だとも教えてくれる。自分の心に耳を傾けるのはとても難しい。心のままに生きるのは、ひとつの勇気のかたちだ。それまでわたしは、心のままに生きるというのは安易な道を選ぶことだと思っていた。それが実は、とても勇敢な行動で、恐怖も自分の力になるのだという考え方に励まされる。

若い女性達を勇気づけたくて、ヌードを撮影したのだが、結局、一番勇気づけられたのは自分自身だった気がする。だれかの役に立つということは、自分を励ますことにもなるのだ。自分をさらけ出すことで、以前にも増して強くなった気がする。多くのものを失い、たくさん傷ついたけれど、これまでよりずっと美しくなれたと信じている。

生まれたままの自分を失うことがあっても、新たな自分をつくり出すことはできる。それをどう表現するかは、わたしの自由だ。

手術したばかりのときは、再び口紅をつけることができるようになるとは、なかなか思えなかった。もう口紅をつけることもないんじゃないかとあきらめたこともあった。
いま、いちばんうれしいのは、口紅をつけるのがごく当たり前になったことだ。命を取り戻したあとは、どんなときも口紅をつけるのにふさわしいと思うようになった。


目次

日本語版編集にあたって
オリジナルの『闘い方』がカッコいい、ジェラリンの生き方を感じてください
究極のストリップ
死と隣り合わせに生きる
自分のハートに従うということ
著者あとがき口紅をつけてどこまでも
結びのことば「社会事業」と「出版」をピンクリボンでつなぐ

アジアの食事は西洋の食事より確実にがん発症率が低いようです。和食ってすばらしい!

娘に贈る12の言葉

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは投資の世界で知らない人はいないほどに有名で10年間で4000%を越える驚異的なリターンを実現した投資家ジム・ロジャース氏の『娘に贈る12の言葉』です。本書は60歳をすぎてから始めて授かった我が子のために人生で成功するために必要な12の言葉を語る形式になっています。
物事の本質を見極め、自分の頭で考えること、情報に左右されない思考の大切さを全編にわたって主張しています。
わずか5歳でビジネスをはじめ、お金儲けが大好きだった著者が、紛れもなく一番大切なのは娘であり、愛する彼女にどうしても伝えたいコアなエッセンスがやさしく語られていて、私たちは読むことで、偉大な父親の愛と成功の秘訣を受け取れる、素晴らしい1冊です。ベッドタイムに読むのもおススメです。


アンダーラインポイント

愛する娘よ人生と投資で成功するために、君に伝えておきたいことがある。
ひとつめは、「他者に流されずに、自分の頭で考える」ということだ

でも、大切なことを忘れてはいけない。君には、君自身を助ける判断力が生まれながらにして備わっていて、君が歩んでいるのは誰か他の人の人生ではなくて君自身の人生だということだ。

でも、君が正しいと思うことをするときは、それが絶対にまちがっていないと思えるほど徹底的に調べてからでないといけない。成功できない人は、常にわけもわからずに何かをしている。そうやっているうちに時間とお金を失っていくものなんだ。

最後にこれだけは守ってほしい。世間一般の常識や慣習なんてものには従わなくてもいい。でも、道徳や社会的なルールだけは守らないといけない。それが人としてまっとうな生き方だから。

ひとつ言えることは、素晴らしい人生を歩むためには、「お金をもらえなくても、やりたいことをやるべきだ」ということ。それが成功への鍵だ。

細部に注意を払えるかどうかが成功と失敗を分ける。だから、どんなに些細なことに見えても、小石をひとつ残らずひっくり返すようにして調べないといけない。大半の人が成功できないのは、限られた範囲の、不十分な調査しかしないからだ。

常識はそれほど常識ではないということだ。

これから君が歩む人生という旅の中で、人々が君に話すことや、君が新聞・雑誌で読む内容は、しばしば間違っているはずだ。
だから、安易にそれらを受け入れてはいけない。ちゃんと自分自身で事実関係を調べなければならない。伝聞を鵜呑みにするのではなく、もともとのデータを見て、自分自身で何が事実なのかを判断しないといけない。

私は、イギリスの小説家で詩人のキップリングの次の言葉が好きだ。
「イギリスだけしか知らない者にイギリスが本当に理解できるはずがない」

哲学というのは、一般に思われているような小難しい理屈などではなく、「自分の頭で、どのように考えるか」という技術なのだ。

以前に、いろんな国へ行ってほしいと伝えたね。でも、世界へ踏み出す前に、まずその国の歴史を調べることだ。歴史を知らずに他の国に足を踏み入れても、君はその瞳に映るものの大半を理解することはできないだろう。歴史を知らなくては、何を見たとしても、学ぶことも分析することもできない。

ここで言えるのは、似たようなことはいままでにいくらでも起こってきたし、これからもまた起こるだろうということだ。
たとえば、「IT革命」が起こったとき、多くの人々は何かまったく新しいことが始まったかのようにとらえていた。でも、それは歴史上にたくさん起こってきた技術革新のうちのひとつ、いわばもうひとつの「産業革命」にすぎない。

他の分野で成功するにも、投資で成功するのと同様、自分というものがわかっていないといけない。
どういう状況に追い込まれたら、自分が冷静さを失ってパニックになるかを知っておくことは大切なことなんだ。

最初に話したとおり、君の父は、君には何よりも自分に正直であって欲しいと願っている。高潔で、自分で考え、真摯に自らの間違いを認め、正していける人間になってほしい。

何かで成功したかったら、これから主流となる流れに乗らなければいけない。決して滅びゆこうとしているものにしがみついていてはいけない。

娘よ、おごってはいけない。懸命に学ぶんだ。学べば学ぶほど、君は自分が知っていることがいかに少ないかを知るだろう。そうすれば、君はおごり高ぶったりせずにすむはずだ。


目次
はしがき
1 他者に流されてはいけない
2 大好きなことに情熱のすべてを注ぎなさい
3 常識はそれほど常識ではない
4 世界を自分で見ておいで
5 哲学を、つまり「考える」ということを学びなさい
6 中国の時代中国語を身につけてほしい
7 歴史を勉強しなさい
8 汝自らをしること
9 変化をとらえ、そして受け入れなさい
10 未来を見つめなさい
11 大衆に逆らいなさい
12 幸運の女神は努力を続けた者に微笑む
監訳者あとがき

新聞も数誌読み比べようと思いました。

不都合な真実 ECO入門編

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは2007年ノーベル平和賞を受賞した米国元副大統領アル・ゴア氏の『不都合な真実』です。
本書は写真やグラフがカラフルで、一目見ただけで視覚的にも情報を理解しやすく編修されています。内容については、新聞やテレビの専門番組よりも大雑把ではありますが、一般的に言われている環境問題とは、一体どのようなものがあり、何の原因によって引き起こされてきたのか、という疑問に答えるには十分な内容です。
ノーベル平和賞を受賞する功績のあった著者の1冊は常識として必読でしょう。


アンダーラインポイント

私たちが今直面している問題は、人間が排出する膨大な量の二酸化炭素などの温室効果ガスが、大気中に増えていることです。そのため、本来ならば大気を抜けて宇宙へ出て行くはずの赤外線放射の多くが、吸収されてしまいます。その結果、地球の大気や海洋の温度が、危険なほど上昇しつつあるのです。

チベット平原にあるヒマラヤ氷河は、温暖化の影響を最も受けている氷河の1つです。ヒマラヤにはアルプスの100倍以上の氷があります。アジアには、この平原を水源とする7つの河川系があって、世界の人口の40%が飲み水の半分以上をここから得ています。
世界が思い切って、そしてできるだけ速く行動しないかぎり、これらの氷河は姿を消してしまうでしょう。今後50年のうちに、26億人もの人々が、深刻な飲み水不足に直面することになってしまうかもしれません。

2004年、これまでの科学の教科書を書き換えなくてはならない事態が起こりました。これまでの教科書には「南大西洋にハリケーンが来ることはあり得ない」と書かれていたのです。しかしこの年初めて、南大西洋にあるブラジルをハリケーンが襲ったのでした。

米国は世界の温室効果ガスの約4分の1を排出しています。一方、アフリカ大陸全体で排出している量は、世界全体のわずか5%ほどです。温室効果ガスそのものは実際には目に見えません。それと同じように、遠く離れた場所に及ぼすその影響も見えないことが多いのです。しかし私たちは、アフリカの苦しみを作り出すことに手を貸してしまっています。私たちは倫理上の義務として、それを正さねばなりません。

1998年は観測史上2番目に気温の高い年となりましたが、この年は世界のサンゴ礁全体の16%が姿を消してしまいました。
温暖化と大規模なサンゴの白化の間には関連があるのでしょうか?ほんの10~15年前には、この関連性の有無を論議する人々がいましたが、今ではこのつながりに異議を唱える人はだれひとりいません。

危機=チャンス
温暖化に関するもう1つの大きな問題は、「否認」から一挙に「絶望」へと、その中間地点で足を止めることなく飛んでいってしまう人々が、驚くほど多いことです。そう、確かに危機はあります。しかし私たちは、手を打つことができるのです。
ソーラーパネル(太陽光発電)
地熱発電所
省エネ電球
屋上緑化
ハイブリッド車
燃料電池のハイブリッドバス
風力

私たちは、自らの民主主義に基づいて、我が地球を守るための法律をつくるよう、みんなで行動を起こさなくてはなりません。なぜなら、「行動せずにいる」という余裕はないからです。


目次
はじめに
第一章 変わりゆく地球
第二章 無言の警告
第三章 冷たい確かな証拠
第四章 ハリケーン警戒
第五章 極端な大雨・極端な少雨
第六章 地球の果て:北極
第七章 地球の果て:南極
第八章 新しい地図?
第九章 深刻な問題
第十章 健康への害
第十一章 崩れるバランス
第十二章 衝突コース
第十三章 技術の副作用
第十四章 「真実を否定してはならない」
第十五章 危機=チャンス
謝辞
索引
できることから始めよう
地球温暖化をめぐるありがちな10の誤解
訳者あとがき

子どもを育てる親として、地球の行く末を本気で危惧しています。

セロトニン「脳」活性法

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは東京大学医学部卒、現在東邦大学医学部統合生理学教授、NPO法人国際セロトニントレーニング協会会長である有田秀穂氏の『セロトニン「脳」活性法』です。
私たちの脳には、心と体を元気にする「セロトニン神経」が備わっており、太陽の光と意識的なリズム運動で活性化させることでアンチエイジングにまでしてしまおうと提唱しています。薬ではないのに、薬より効くという驚異の脳内物質「セロトニン」の力をかりることで、うつ、イライラ、ひきこもり、不眠も解消するのです。
朝型生活、呼吸法、歩行など他の見地からも推奨されている健康に良いとされる習慣を「セロトニン神経」というフィルターを通してもやはり良しとされている点が注目です。
きれいな毎日を送りたい女性には、これらの項目はMustなのかもしれません。早起きをしたくてもできない人に、早起き効能の裏づけとして、背中を押してくれる1冊です。


アンダーラインポイント

「セロトニン」とは、脳の神経伝達物質のことで、最近では一般的に「脳内物質」と呼ばれるようになりました。
セロトニン神経を活性化させ、脳内でセロトニンを十分につくることで、私たちはつねに脳を活発に働かせて、元気にいきいきと生活することができるようになるのです。

「やる気が出ない」「落ち込みやすい」「毎日が楽しくない」・・・などと感じている人は、いつのまにかセロトニン神経を弱らせる生活をしているはずです。

セロトニン神経を活性化させている人は、姿勢がよく、顔もハリがあって、見た目がいいと、すでにお話ししました。それは、セロトニン神経が抗重力筋に働きかけるからです。

セロトニン神経は直接に抗重力筋に働きかけるわけではありません。直接に働きかけるのは運動神経です。セロトニン神経は、運動神経の細胞にセロトニンを分泌して、運動神経の興奮レベルを上げる作用をするのです。

セロトニン神経が活性化された脳の状態、つまり、「セロトニン活性脳」をつくるためには、「太陽の光」と呼吸法を含めた「リズム運動」の二つの要因が大切です。

セロトニン神経活性化のために、なぜ太陽の光を浴びることが大切なのでしょうか。それは、網膜に入る光が必要だからです。網膜に入った光信号が、縫線核のセロトニン神経に直接働きかけて興奮させるのです。
光が覚醒作用を引き起こすのは、このセロトニン神経に直接に働きかけることによるのです。

もう1つ、セロトニン神経を活性化させるために重要なのが「リズム運動」です。体をリズミカルに動かすことで、筋肉だけではなく、脳にも直接働きかけているのです。それによって、セロトニン神経が活性化されます。

私がいう三大リズム運動とは、歩行、呼吸、咀嚼です。
セロトニン神経活性化のために、もっと手軽にできるのが、噛むことです。噛むことは、もっとも手軽にできるリズム運動なのです。食べるときにも、よく噛むことが必要なのは消化にいいだけではなく、一生懸命に繰り返し噛むことでセロトニン神経を活性化させる効果もあるのです。

「朝の光」と「リズム運動」の両方を効果的に得られるのが、先ほども述べましたが、ジョギングでしょう。

食事の内容としては、セロトニンになるトリプトファンが含まれるメニューをお勧めします。バナナ、納豆などの大豆や豆類、チーズなど乳製品、鰹節などがいいのです。ですから、朝食にご飯を食べるなら、納豆や味噌汁を一緒に、パン食ならば牛乳、チーズなど乳製品とバナナなども一緒に食べてはいかがでしょうか。

睡眠を誘発するメラトニン
ここが大事なところなのですが、メラトニンがどのようにつくられるのかというと、セロトニンからなのです。
セロトニンの材料は、すでに述べたように必須アミノ酸のトリプトファンという栄養素からです。つまり、トリプトファン→セロトニン→メラトニンとなるわけです。ですから、まず食べ物の中にトリプトファンが入っていることが絶対的な必須条件です。

私たちは、昼間、体を動かすなど十分の活動しないと、夜熟睡できないということを体験的に知っていますが、それは昼間のうちにセロトニン神経が活性化されれば、夕方から十分にメラトニンが分泌されるという生理にかなっているのです。

メラトニンには睡眠を誘発するだけではなく、免疫機構の働きを高め、心臓血管系を保護して、成長ホルモンの生成を刺激する働きがあります。免疫力を活性化させ、アンチエイジング効果があるのです。

ですから、セロトニン神経を活性化させることは、メラトニンの働きを活発にし、質のいい睡眠につながり、ひいては免疫力を高め、若さを保つことにもつながるのです。


目次
はじめに
第一章 「セロトニン」が「脳力」を高める!
第二章 朝方生活で人生が変わる!
第三章 快適な眠りを手に入れるセロトニン睡眠法
第四章 心も体もいきいきさせるセロトニン呼吸法
第五章 セロトニン神経を弱らせる「生活習慣」
第六章 セロトニン「脳」活性法で人間関係はうまくいく

アンチエイジングのためにも、朝の太陽と仲良くしよう。

「綺麗な人」と言われるようになったのは、四十歳を過ぎてからでした。

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは第94回直木賞受賞、第32回吉川英治文学賞受賞の林真理子氏の『「綺麗な人」と言われるようになったのは、四十歳を過ぎてからでした。』です。私が学生の時から著者の作品は読んでいましたが、確かに内容からしても、結婚、出産を経て40代になってから書かれたエッセイは随分変わられた印象です。
気持ち的に余裕がある雰囲気の中に、ちらっと若さや、美貌に対しての嫉妬心が見え隠れしている著者の持ち味は顕在です。
「バーキンは女の貨幣である。」「ビンボー人に美人妻なし」などセレブ志向が強い発言の連発ですが、それに異を唱えながら読むのもまた、1つの本の楽しみ方かもしれません。


アンダーラインポイント

自分と全く違う場所に、とうとうと流れていくたくましく美しい人生がある。
劇場に行く楽しみは、これを見ることに尽きる。生きている人間が目の前で演じ、そのことを教えてくれるのだ。

このところ忙しくて、美容院に行く暇もない。ネイルサロンにも行かない。自分が日一日と小汚くなっていくのがわかる。おばさんというのは年齢のことではない。だらしなさと安逸に走り、何ら努力しない女のことだ。

アメリカにはトロフィ・ワイフという言葉がある。富と名誉を手に入れた男性が、自分の人生の“トロフィ”として新しい妻を手に入れることだ。この場合の妻は必ずしも若くはない。社交をしきらなくてはならないので、30代が多いと聞いた。が、美しくて知的、洗練されていることはいうまでもない。
「日本の男はね、糟糠の妻を捨てる男を軽蔑するからね」ときっぱりおっしゃった。愛が無くては一緒に生活できない、というアメリカ式はもっともだが、宝石が似合って堂々としている日本の糟糠の妻たちも、かなりいいもんだと思うがどうだろう・・・。

「いいものだったから買ったら、たまたまエルメスだったの」
などという言い方は絶対にすまいと思う。エルメスのバッグが欲しかったから、頑張ってきたし稼いできた。見栄っ張りといえば確かに見栄っ張りであるが、いいじゃないか。自分で買った女も立派だと思うし、亭主や恋人に買わせた女も立派である。おしゃれなんか、90パーセント見栄で成り立っているんだもの。

40代の女が、自分の持っているものをささやかでも次の世代、しかも全くの他人に伝えるというのは、実はとても簡単なことだ。友達になって、まずご飯を一緒に食べ、一緒にどこかへ遊びに行けばいい。そして彼女たちからもたくさんのものを貰う。「若さに学ぶ」なんてイヤらしいものではない。

家庭というものに制約や窮屈さはつきものだ。それを守りたいと思うからこそ、私たちは必死にヤリクリして、折り合いをつけて、自由な夜を手に入れようと思う。
が、野放図にその夜が与えられたとしたら、本当に楽しいだろうか。夜遊びする女たちは、しんから夫に愛されていないような気がして仕方ない。にぎやかに騒ぐ彼女たちは、夜光虫のような美しさとはかなさがあり、それを傍らで見ている分には楽しいけれども・・・。

流行の言葉でいえば「自己責任」において、男性とデイトした後、キスの1回や2回ぐらいしちゃう。そしてそれを言いふらすことはなく、過大評価することもなく、自分ひとり心の内にしまい、鏡を見てはふーっとため息をつく。メイルで相手の男性に、思わせぶりな言葉をいう。こういうことがあるから、中年もやめられません。

「私、女としてのピークは、40代、いいえ50代でもいいと思ってるんです。」これって間違ってはいないが、お利口過ぎる答えである。やはり女のピークは、20代後半から30代に来なくてはならない。そこで、男の人と、うんとスッタモンダする。そしてその余韻を中年まで引きずる、というのがいちばん正しいであろう。
中年になって綺麗になることは出来る。が、「色香を漂わせる」というのは、男の人とかなりいろんなことがなければ不可能だ。思い出もまた、女を美しくする要素である。


目次
多数のため割愛します。

人の幸せを一緒に喜べる女性が美しいですよね。

マイクロソフトでは出会えなかった天職

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメはマイクロソフト社で国際部門の要職に就き、オーストラリアと中国に赴任後、人生の指針を転換し発展途上国の子供に生涯の教育という贈り物をするNPO法人を設立したジョン・ウッド氏の『マイクロソフトでは出会えなかった天職』です。子供の頃、週に8冊しか借りられない図書館の本を、司書に交渉して、特別に12冊借りていたという、著者の本に対する情熱が、大きなビジョンと共に世界を救う多くのプロジェクトに発展して行きます。アジアの文盲の3分の2は女性であるところにも着目し、女子が学校に通うための奨学金制度をつくったり、学校、図書館を数百単位で建設し、1000万冊の本を贈るという偉業を成し遂げました。
世界レベルで一流といわれるマイクロソフト社で、どんなに売り上げを上げても、人生をかけ、情熱を傾けられる仕事に出会えた著者は、貯金もなく借家暮らしでも、これほど生産性のある仕事はないと、言い切っています。
自分にとって意義のある仕事とは・・・。仕事を見つめ直すきっかけになる1冊です。


アンダーラインポイント

校長が言った。「ごらんのとおりです。子供たちに本を読む習慣を教えたい。でも、これではどうにもなりません」
教えたいのに教えるための本が足りない。そんなふうに訴える教師がいるなんて。僕は力になりたいと思った。でも、偉そうなことをと思われないだろうか・・・。校長はそんな僕の悩みを吹き飛ばした。彼の次の一言が、僕の人生を永遠に変えることになった。
「あなたはきっと、本を持って帰ってきてくださると信じています。」

「物質的な富があるかどうかは関係ない。本当に大切なのは-その富を使って何をするかだ。僕は若くして経済的に成功したが、その大半は幸運だったからにすぎない。たまたま、ふさわしいタイミングでふさわしい会社に入っただけ。お金を持っている人ほど素晴らしい人間だというわけではない。本当に大切なのは、そのお金で僕が何をするかだ。」

ダライ・ラマは、何かを与えれば、代わりに得るものがあると語る-幸せだ。

「ネパールでは、教育が国の将来のカギになるんだ」とダワは言った。「きみたちの国が裕福な理由のひとつは、すべての子供が学校に行くからだ。僕達にはその強みがない。」

最悪の選択肢はなにもしないこと。

校長の話が終わり、ロバの荷をおろした。本を箱から出しはじめると、子供たちが駆け寄ってきて、次々に新しい宝物を手にした。
僕は胸がいっぱいになった。言葉が見つからなかった。この学校と出会って、僕がこれまで経験したことのない気持ちで満たされていることを、何とかして伝えたかった。僕は世界を変えたのだ。少なくとも世界のほんの一部を変えることができた。

頭の片隅から声が聞こえた。「わかっているくせに。きみがいなくてマイクロソフトが困るのは、せいぜい1ヶ月か2ヶ月のこと。すぐにだれかが穴を埋める、君など最初からいなかったみたいにね。でも、貧しい村に学校や図書館を建てる手助けをしようと思う人が、何千人もいると思うか?この仕事はだれもやっていない。きみが挑戦しなくてどうする。」

私がマイクロソフトで何か学んだとすれば『大きく考えること』です。大半の慈善活動は、一つか二つ学校を建てるだけです。私は数百校建てたいと思っています。いくつか図書館をつくった慈善活動はたくさんありますが、アンドリュー・カーネギーをまねて、途上世界に数千の図書館を建てた人はまだいません。

さらに重要なのは、相手の「ノー」を答えと思わず、何度でも可能性を追い求める精神がDNAに組み込まれていることだ。たとえば、僕は断られたらこんなふうに言う。「ダメですか?『今はダメ』という意味ですよね?」

マイクロソフトでは「大きく行け、それができなければ家に帰れ」と言われていた。これこそ、何か変化を起こしたいすべての人に送るアドバイスの核心だ。

僕達は安上がりにグローバル化を進めてきた。たとえば、この10年間にアフガニスタンに学校をつくるべきだった。あの国の教育制度を確立する努力をしていれば、テロリストはいまより少なくなっていたはずだ。

マイクロソフトでは「個人攻撃してはいけないが、アイデアは攻撃していい」と言われている。

最大のリスクは、たくさんの人が、あなたを説得して夢をあきらめさせようとすることだ。世の中にはうまくいかない理由をあげることが大好きな人が多すぎて、「応援しているよ」と励ましてくれる人が少なすぎる。一人で考える時間が長いほど、否定的な力に引き寄せられて取り込まれやすくなる。


目次
第一部 ネパールとの出会いマイクロソフトとの別れ
第二部 ゼロからの出発
第三部 新しいステージへ
エピローグ
謝辞
訳者あとがき
ルーム・トゥ・リードの活動について

与えることでその何倍ものあたたかいものを受け取ることができるのですね。

3時間熟睡法

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは「ビジョンヨガ」を用いた「熟睡法」を指導している大石健一氏の『3時間熟睡法』です。
睡眠のサイクルは、レム睡眠とノンレム睡眠が1.5時間ずつ交互にやってくるので、その最短の3時間という1セットを効率よく眠ることで、睡眠は十分であると提唱しています。
冥想によって心のストレスを取りのぞき、「ピジョンヨガ」で血流をスムーズにするという下準備を行った上で成長ホルモンが分泌される12時までに就寝する。熟睡した短時間の睡眠は疲労回復と、脳の活性化に貢献し、起きているときの作業効率も劇的にアップすると言っています。
ピジョンヨガについてはイラスト入りで紹介が入っています。睡眠不足に悩まされている人には、睡眠に対しての認識が一変すること間違い無しの1冊です。


アンダーラインポイント

長い睡眠をとる生活を続けていると、体はそれが当たり前と解釈し、睡眠効率はとても悪くなります。

もともと人間は、朝日とともに起きて日の入りとともに眠るという生活習慣があります。そもそも私たちの自律神経のリズムが朝型になっているので、早寝早起きを貫行している人には睡眠不足を訴える人がほとんどいません。

実は、私たちが昼間に強い眠気に誘われてうとうとしてしまう原因は、たいていの場合は睡眠不足ではなく、熟睡不足にあります。

睡眠は<量>より<質>が大切。質の悪い睡眠を長々と続けていると、体が休息できないどころか、自律神経を乱したり免疫機能までもが弱くなってしまいます。

成長ホルモンはその名の通り体の成長に欠かせないもので、骨や筋肉名どん発育に必要な役割を担っています。睡眠時にしか分泌されず、睡眠に入ってから約90分後のレム睡眠の時、一般的には夜10時から午前2時の間に多く分泌されると言われています。
昔からいわれている「寝る子は育つ」ということわざは科学的にも理にかなったものです。

体がベッドに沈み込むということは、体を支える部分の表面積が広いというのと同じことです。そこで眠りに落ちたとしても、広い範囲で筋肉の緊張は持続されます。これでは筋肉の疲れはなかなか取れないばかりか熟睡できないというわけです。
固めの布団の上に横になると、筋肉は交代で十分な休息をとれるため、私たちは本当の意味で熟睡することができるのです。

短時間睡眠で充実した一日を送るために必要なことは、午前と午後に1回ずつ昼目をすることです。
それもたった10~15分でいいのです。

睡眠は量より質。
3時間の睡眠のなかで、脳と自律神経、体を休めることができれば、それが最高の睡眠なのです。

目から強い太陽光が入ってきたことを松果体が感知すると「時計ホルモン」と呼ばれるメラトニンという物質が全身に送られ、朝が来たことを知らせるのです。

食べた直後は胃腸が消化活動を盛んに行っています。仮にここで横になって休んだつもりになっても、体内では盛んに活動しているので、本当の意味での休息にならないでしょう、


目次
はじめに
1章 「グッスリ眠る」一番簡単な方法
2章 「いい睡眠」「悪い睡眠」その差が「一日の充実感」を決める
3章 最高の「眠りのリズム」が身につく習慣
4章 今日から「ムダな睡眠」が一切なくなる!
5章 3時間熟睡法」人生が劇的に変わる眠り方
6章 「ビジョンヨガ」必ず熟睡できる超簡単エクササイズ

やはりここでもメラトニンが関係してきていました。
早寝早起き、このフレーズが一体何冊の本に書かれていたことでしょう。

子作り爆裂伝

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメはモデル、女優、レースクイーン、銀座ホステスなど様々な職業を経て作家デビューした室井佑月氏の『子作り爆裂伝』です。著者の妊娠出産を通してのリアルな体験と母親目線が描かれていて、痛快な1冊。妊娠したことのある人は、自分の時を思い出して苦笑い、これからの人は未知の体験を身近に感じられる、女性ならぜひ読んで欲しいおススメの本です。
全編を通して、女としての喜びが溢れていて、子供の存在は女性をこんなにも満ち足りた気持ちにしてくれるものなのかと思わされます。著者が本書を執筆中に夫が浮気をし、最終的に離婚に至ったのですが、そのことがおまけで加えられています。しかし、夫が去った後でも息子との愛に満ちた幸せな日々は著者を支え続けているのです。


アンダーラインポイント

子供ができると男はどう変わるか?ほとんどなにも変わりません。産まれてからならともかく、子供がお腹に入っているうちなど、ぜんぜんリアリティがないのかもしれません。
産まれてからだって、そのブッサイクなサルみたいな新生児を見せて、「さあ、おまえの子供だ。今からこいつにおまえの愛情を溢れんばかりに注ぐのだ」といっても、それは無理な話のような気がします。

たしかに、子供というものはものすごくお金も手間もかかって、いまの世の中で施委託品になりつつあります。女一人で子供を抱えて生きていくなんて、とてつもなく大変なことだとも思います。

でも、子供を産むということも、女にしかできない華やかな事件なのです。子供の話も得意、けれどそれ以外の話も得意、そういう友達でいたい。
子供ができたぐらいで、そんな簡単に負けられないっていうのです。

ベビーカーを押す母の小さな丸まった背中。子供の頃、よくせがんでおんぶしてもらったのを覚えています。たまに、母の背中が日に日にずんずん小さくなって、そのうち消えてしまうんじゃないかと思うことがあります。見送りながらそんなことをふと考えてしまい、あたしは泣きたくなったりします。急に愛しく思え、抱きつきたくなります。たぶんそんなこと、子供を産まなければ、あたしは母の葬式まで気づかなかったでしょう。

これから子供を産む方は、産まれてきた子供の顔を見てから洋服を揃えたほうがいいと思います。息子はかろうじて猿から人間に育ちつつありますが、けれど男顔なので、どうしてもレエスとフリルは似合わないのです。つり目のきつい顔なので、水色や卵色も似合いません。いかにも赤ん坊らしいものを着せると、ふけ顔がよけいに目立つのです。やけにおっさんらしい赤ん坊になってしまいます。

そんなわけで、子供のための貯金をすると決めてから、あたしはケチになったのでした。子供が産まれたら、自分のものなんて欲しくなくなってしまったのです。

あたし、夫婦だってそういうものだと思っています。結婚届は出したけれど、明日のことまでわかりません。あたしの気が変わるかもしれないし、旦那の気が変わるかもしれない。結婚は、偶然の幸せ同士がたまたま鉢合わせしたようなものだと。偶然のものだから、その寿命なんて考えてはいけないものだと思っていました。でも、子供ができてからそれはちょっと違うとわかったのです。

『未知なる生命を宿す妊婦の身体はうつくしい』というようなことが、ある真面目な妊娠本の冒頭に書いてありました。嘘付けよ、とあたしは思いました。臨月の妊婦の身体なんて、見られたものではありません。まるで、変な太り方をしてしまった相撲取りみたいで。カエルの親玉みたいで。スイカ泥棒みたいなのです。

はじめての赤ん坊との対面は、そりゃあもう感動するものなんです。いままで出会ったどんな人間との出会いよりも、あたしは感激しましたし、嬉しかった。赤ん坊の誕生は、あたしが母親として誕生することでもあるのです。

たまに仕事の仲間と食事をすませて家に帰ることがあります。その際、たくさんお酒を飲んでしまうこともある。玄関まで迎えに来てくれた息子があたしにいいます。
「まーた飲んできたのかよ」
「そうだよ。悪い?」
「っていうかさ」
息子はあたしの手を引いて寝室まで連れて行ってくれる。二人でベッドに横になる。
「今日はディズニーランドにいった夢みようか」
約束して一緒に目を瞑る。一緒に寝る。
あたしはやっぱり幸せだと思う。幸せとなかなか縁の薄いあたしだけれど、こんな幸せが永遠につづけばいいのに、そう願ったりもする。
人間はしょせん独り、わかってはいるんだけれど。忘れることができる。幸せです。


目次

第一章 妊娠は爆裂じゃ!
第二章 出産は爆裂じゃ!
第三章 育児は爆裂じゃ!
あとがき
おまけ
文庫のためのおまけ

うちの息子も生まれたときは田吾作みたいな顔でしたっけ。

結婚の覚悟、離婚の決断

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは俵萌子氏の『結婚の覚悟、離婚の決断』です。幸せな結婚、二人の間に出現した“第三者”の存在のためにした離婚の二つの経験から結婚と離婚の“心の真実”を分析しています。離婚後2ヶ月から1年の間に書かれた本書は原稿用紙の上に涙を落としながら書かれたというくらい、本心が吐露されています。著者は“自尊心を投げ打ってでも別れを阻止する”ということは結果的にはしなかったものの、目次のタイトルにもなっていることをみると、本当はしたっかたのだけれどもできなかったことだったのだと読み取れます。大ベストセラーになった本書は精神的な自立をした女性には必読の1冊です。女性にとって結婚とは、自立とは、幸せとはを真剣に考えさせてくれます。


アンダーラインポイント

結婚が長続きするためには、いつでもお互いが、お互いの伸びていこうとする方向に協力的でなくてはならない。そのためには、相手の生き方が支持できなくてはならない。この部分で喰い違ってしまったら、その結婚は不幸な結婚である。

結婚について、私が気に入っているところは、一人の男と、生涯にわたってかかわりあおうとするその心意気である。いやになったらいつでも別れるという男女の関係も、悪いものではない。だが、とことんつきあう予定で、二人の関係をはじめてみるということは、さらに豊かな生き方ではないのか。

迷わない場合の決断は、たとえあとでその決断が間違っていたということがあるとしても、それはそれでいい。「私はあの時、ああしか考えられなかったのだから」と思えば、悔いないでいられる。人生で大事なことは、失敗をしないということではない。悔いなく生きるということだ。

苦しく、難しいのは、さんざん迷う時の決断だろう。
そういう決断は、できれば避けるに越したことはない。避けている間に、自然に条件が熟して、無理なく決断できる時がくることもある。時間が決断してくれる場合もある。自分は決断しなくても、他人が決断し、その結果自分の運命が決まっていくこともある。

若いころ私は、知的な畏敬や、男の才能を、男の広い胸と感じたが、年月と共に、男の胸を広いと感じるのは、その男の“人間的な温かさ”に限られるようになった。

やさしいことだとはいわないけれど、もしあなたが、ほんとうに幸福になりたいのなら、世間の常識を、幸福の基準にはしないことである。
高卒よりは大学出と結婚することが、年下よりは年上と結婚することが、小企業より大企業に就職している人が、1メートル60センチの男より1メートル70センチの男が、27で結婚するより21で結婚することが、公共の会館で式をあげるより豪華ホテルで式をあげることが、国内へ新婚旅行に行くより海外へいくことが、サラリーマン婦人よりセレブ婦人が、離婚より結婚が、幸福だというのが世間の常識の幸福の基準であろうか。
その基準で自分を見るから、不幸な女がふえるのである。

愛情というものは、常に独占欲を伴う。だれかと恋愛関係になることは、お互いの独占したい欲求を、満たし、満たされる関係になることである。恋愛は、ある側面で、お互いを縛りあう関係であり、愛への願望は“不自由への願望”なのである。

“ところがいま、だれひとり、私の時間を奪う者もなければ、外出すればとて、呼び返してくれる声もない。げに私は自由なのであった。もう愛されてはいないのであった。あらゆる人にとって、私は他人なのであった”

「家族への責任など全くない自由。しかし、それは虚しいものではないか。人間というのは、手かせ足かせがあってこそ、はじめて、責任に裏打ちされた、本来の暮らしができるのではないか。また、その中での自由こそ、本当の自由の味なのではないだろうか」

親から助けてもらわないひとり暮らしに、貧乏はつきものだ。
けれどもあなたには、目に見えない貯金が、うんとたまる。かけがえのない自由と自立である。

親にはそむいたほうがいい。愛と金と、二つの選択があれば、迷うことなく、愛を選ぶべきだ。愛を選んだほうが、幸福だからだとはいわない。愛は金以上に不確かなものである。けれども、愛を選んだ結末について、人は悔いないでいられるからだ。悔いないという生き方こそが、大切なのである。

女が金によってもっとも手痛い復讐を受けるときは、結婚が壊れたときである。
夫の突然の死によっても、愛のうつろいによっても、それはやってくる。自力ではなく、男によって金を手にしてきた女の、宿命である。

しかし、いったん愛が消えうせたとき、男は1円でも女に金を渡したいとは思わない。離婚のときの男は、汚らしいほど金を惜しむ。それは、男女の間の金が金ではなく、愛であったからである。

つまり、富も名声も保証された(あるいはその両方が保証されていない場合でも)面白い仕事があって、ギリギリのところで、男か仕事かと追い詰められれば、たいていの女は、仕事のほうを選ぶ。それが精神が開放された女の現実であるということを、見逃してはいけない。


目次
まえがき
プロローグ どんな時男は女を愛せなくなるか
第一章  ふんぎりをつけるいくつかの方法
第二章  気が合う相性の絶対条件
第三章  肉体に刻み込まれた性の習性を超えて
第四章  幸福になるための才能
第五章  “自由”という名の孤独に耐える
第六章  ひとり暮らしをしてみよう
第七章  結婚にとっての金の意味
第八章  男と仕事、両方を手にして生きる
第九章  自分の能力はどこなら発揮できるか
第十章  “つくしつくされる愛”への渇望
第十一章 男は誰を頼るのか
第十二章 母、息子、妻の気づかない三角関係
第十三章 一点だけでつながっている最後の絆
第十四章 取り乱し動揺する嫉妬の感情
第十五章 もし、裏切られることがあったら
第十六章 自尊心を投げ打ってでも別れを阻止するか
エピローグ
文庫版あとがき

世間の常識的な幸福以外の自分自身の幸福軸を考えてみました。

なぜ、エグゼクティブは書けないペンを捨てないのか?

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは大手コンサルタント会社オットー・ウォルター社の会長。パコ・ムーロ氏の『なぜ、エグゼクティブは書けないペンを捨てないのか?』です。短く身近な出来事を題材にしたショートストーリーの展開で、仕事と人生の報酬がアップするヒントを語るビジネス本です。経営者から一般社員一人一人が、よりよい社会を作ることを心に期し、責任をもって社会に関わっていくことを提案しています。
書けないと思っていたペンは、実は白いペンだった、という象徴的な話は、使う側がその人の本質的な能力を見落としている可能性を示唆し、私たちの人との係わり方の価値観の再考を促してくれます。きれいを目指す女性達に充実したプライベートと仕事の両立に向けて進むためにも、おススメの1冊です。


アンダーラインポイント

顧客もみな中身は一人の人間だ。意思もあれば癖もある。人間として付き合うことをおろそかにすれば、逃げられてもしかたない。

よりよい解決策が見つからないときは、考え続けよう。だが、その間も、漕ぐ手を
休めてはいけない。

働く者にとって、大切なのはお金の問題だけではない。会社や上司が自分を尊重し、感謝してくれることを示す、具体的な事実が大切なのだ。

プロしての価値を決めるのは、何を話すかではなく、何をやって見せるかだ。
人を評価するときは、言っていることより、やっていることを見るほうが確かである。

だが、それ以上に、ごくわずかな人しか持っていない最高の勇気は、万事うまくいっているときに、変化を起こす勇気だ。今日、決断を下す勇気があってはじめて、明日の変化に対応できる。

ここに面白いデータがある。会社がうまくいかなくなる原因の99%は、
「経営全体が悪い」
「将来のビジョンがない」
「意思決定が正しく行われていない」
この3点に尽きる。あとの1%は単に運が悪いだけである。

「疲れきって、悲観的、否定的な社員」がいれば、明らかにマネジメントがうまくいっていない証拠である。

意欲的に働く、という責任を果たさない不誠実な社員、同僚の足を引っ張る社員に対しては、先頭に立って厳しい対抗手段を講じるべきである。

何かにつけて反対ばかりするのが、勇敢で特異な才能を持つ「変わり者」の証拠というわけではない。ただの反対魔は働くことが好きではないが、「変わり者」は目標に向かって働くのが好きだ。


目次
はじめに
本書に寄せて
第一部 仕事と人生に報酬をもたらす8つの物語
第二部 自分を、人生を変える2つの誓い
第三部 実践編本書を読んで最初にやるべきこと
おわりに

自分自身の中にも“書けないペン”の部分を探してみよう。