結納

キレイ学のススメ ~ビューティー21~

ビューティー21|西村有紀子 キレイ学のススメ

プロフェッショナルの原点

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは20世紀から21世紀にかけて経済界に最も影響力のあった経営思想家P.Fドラッカー氏の『プロフェッショナルの原点』です。GEのジャック・ウェルチ、P&GのA.G.ラフリーをはじめ、ドラッカーの教えを受けた経営者は多く、日本の経済大国化やベルリンの壁崩壊を最初に言ったのはドラッカーです。日本にも「ドラッカー学会」があり、日本経済界を牽引する各分野のトップ経営者ばかりが集い、氏の教えを研究、実践しています。
本書の内容は、経済的側面のリーダーシップについて語られている部分が多いですが、“きれいに生きる”のに必要な毎日の心の配り方や、モチベーションのありかたがまとめられていて、普通に働く私たちにも同じく必要な思考です。
日々の雑事を洗練させ、効率化、高水準化させるためのポイントが簡潔に記されています。人生においての成果をあげるには、会社への貢献、人への貢献、まずはコントリビューションすることが大切であり、強みを生かして重要なことに集中する。ことをすすめています。書店で見ると男性的な内容と思いがちな装丁ですが、働くキャリア女性にもぜひ読んでほしい1冊です。

アンダーラインポイント

成果をあげるには、次の5つの習慣を身につけることが必要である。
(1)時間をマネジメントする
(2)貢献に焦点を合わせる
(3)強みを生かす
(4)重要なことに集中する
(5)効果的な意思決定を行う

「何をしたいかではなく、何がなされるべきかから考えなければならない。しかる後に、何が自らの強みに合うかを考えなければならない。強みでないものを行ってはならない。他の者に任せなければならない。リーダーたる者は、自らが成果をあげなければならないことを知らなければならない」

知識による権威は、地位による権威に匹敵する。

組織内で成果をあげている人を3人あげるならば誰と誰と誰か?共通する特徴は何か?
成果をあげる能力を早く身につける。

「最低でも年2回、3、4週間にわたって記録をとる。記録を見て日々のスケジュールを調整し、組み替えていく。時間の使い方は練習によって改善できる。だが絶えず努力をしないかぎり、仕事に流される」

重要なことに取り組むには、人にできることは人に任せるしかない。

重要な仕事と乗り気のしない仕事の双方について締め切りを設ける。

「自らの貢献を問うことは、可能性を追求することである。そう考えるならば、多くの仕事において優秀な成績とされているものの多くが、その膨大な可能性からすればあまりに貢献の小さなものであることがわかる。いかなる貢献をなしうるかを自らに問わなければ、目標を低く設定してしまうばかりでなく、間違った目標を設定することになる」

「対人関係の能力があるから、よい人間関係がもてるわけではない。それは、自らの仕事やほかとの関係において、貢献に集中して取り組むからである。そうすることによって、コミュニケーション、チームワーク、自己啓発、人材育成という人間関係に必要な4つの基本能力を身につけることができる」

自らのいかなる強みを仕事に適用するか。誇れるものを成し遂げる。

常に追求すべきは卓越性である。

問題は飽きである。
とるべき行動第2の人生のための準備を今日から始める
身につけるべき姿勢日常のこととして、第2の人生(セカンド・キャリア)
あるいはもう一つの人生(パラレル・キャリア)を意識し、目標を定め、計画する。

集中が必要なのは、なされるべきことがあまりにも多いからである。
とるべき行動仕事は1つのことに集中して行っているか?いまそれは何か?
身につけるべき姿勢常に最も重要なことを最初に行う癖をつける。

捨ててから始める。これはいまも価値があるかを問う。

目線を高くして、変革をもたらすものを選ぶ。

「不十分な理解は、間違った理解よりも危険たりうる」


目次

はじめに
第一章 成果をあげる能力は修得できる
第二章 汝の時間を知れ
第三章 いかなる貢献ができるか
第四章 強みを生かす
第五章 最も重要なことに集中する
第六章 意思決定を的確に行う
結論成果をあげる能力は修得しなければならない
訳者あとがき

なされるべきことを見きわめ、なすようにしよう!

ささやかなしあわせ デートにまつわる9つの物語

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメはジンバブエ生まれのスコットランド人で、『ミス・ラモツエの事件簿NO.1レディース探偵社、本日開業』がブッカー賞の審査員特別賞を受賞後世界的ベストセラーになったアレグザンダー・マコール・スミスの『ささやかなしあわせデートにまつわる9つの物語』です。ジェフリーアーチャーを髣髴とさせる、ショートストーリーの中に、シニカルな描写と確実に用意してある最後の“落ち”が秀逸な英国文学らしい内容です。今回は著者の考え、スピリッツが感じられる箇所にアンダーラインを引いてみました。
大人の女性だからこそ、理解できるA・マコール・スミスの世界をぜひ堪能してください。シカゴ・トリビューン紙、ザ・リスト誌でも絶賛の著者です。


アンダーラインポイント

客あしらいは申し分なかった-得がたい星印をもうひとつ増やしたいと願うホテルに、よくあることだが。

当然ながら海もある。息をのむような信じられない青さだ。沿岸沿いの山々は、光も通さない深い緑におおわれている。その山の向こうには何マイルにもわたって大平原がひろがり、やがてカーペンタリア湾にいたる。さっそく友達に手紙を書いた。「来てよかったわ。幸せな気分に包まれています。信じられる?無理でしょうね。でも、ほんとうなの」

一瞬、そんなところにビルのような男とふたりきりで閉じ込められることを想像して、ぞっとした。何日我慢できるだろう。殺してしまうかもしれない。がけっぷちで背中を押すとか、渓谷に突き落とすとか、ベッドに毒蛇を入れておくとか。無理もない話だ。陪審員も同情し、新たに認められた免責が適用されて釈放される-度重なる挑発を受けた末のやむを得ない行為、被虐待女性症候群、なんだったら月経前症候群でもいい。いまや、女は男を手にかけてもゆるされるのだ。むろん、正当な理由があればの話だけれど。

ビルは嬉々として、さっそくワニ革の財布とパスポートケースを買っている。パスポートケースには派手な金文字で<神に選ばれた市民>と記されている。買い物を終えるのを待ち、選んだ品物を褒めると、パスポートケースを手渡された。
ぎょっとした。「だって、旅行に出かける予定もないし」忌まわしい品物を見て、へどもどした。「気持ちはすごくありがたいけど、あなたが持ってるほうがいいんじゃない?ときどきシンガポールへ行くんでしょ?」それ以上逃れようもなったので、礼をのべて尻のポケットに押しこんだ。車にもどるまでには落ちてしまうかもしれない。あとで、ほんとうに喜ぶ人がそれを拾う。ロビーを見まわすと、みんながほしがりそうに見えた。誰かの手に幸運が舞いこみますように。

デートはあきらかに求愛儀式であるのに、そういう見方をする者はあまりいない。われわれはほかの文化の求愛儀式は認めている。ほかの時代、ほかの動物にも求愛儀式があることはわかっている。しかるに、デートをあたりまえのことと考えて、どれほど大事であるかには気づいていない。デートはあだやおろそかにするものではなく、心の奥底を傷つける恐ろしい事態-トラウマのもと-に発展するおそれもある。

ナルシストは一生不幸かもしれないが、まわりはもっと不愉快な思いをさせられるのだ。ナルシストはどんなに追い求めても、望みのものを手に入れられない。求める相手は自分自身なのだ。


目次

すばらしいデート
可憐なデート
禁断のデート-南ローデシア1959
最悪のデート
デートにまつわるここだけの話
思いがけないデート
ふくよかなデート
母の望まぬデート
聖なるデート
訳者あとがき

小説もビジネス書同様に教訓や学びが多いことに気づきました。エピソードから著者の意図を汲み取るには、ビジネス書以上に読み手の想像力と、教養が必要なようです。

ユダヤ人の勉強法

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメはイスラエル国立へブライ大学卒業、ヘブライ語翻訳家の青木偉作氏の『ユダヤ人の勉強法』です。全世界の人口のわずか0.2パーセントでありながら、ノーベル賞受賞者の4人に1人がユダヤ人という事実、ウォール街の6大銀行のうち4つがユダヤ系、ナスダック上場企業を子に別で見ると、イスラエルがアメリカについで2位と世界レベルで驚異的な成功をおさめているユダヤ人。
優秀なユダヤ人を支えている勉強法とは?の疑問の陰には旧約聖書の最初の部分である創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記、の5つ「モーセ5書」と呼ばれるユダヤ教の聖典トーラーの存在がありました。親が、言葉を理解し始めた子どもに対して、読み聞かせ、暗記させ、戒律、歴史、を教え込むことで、文網率が著しくさがり、規律正しい発想が身につきます。そして、週に1日必ずある安息日に家族そろって沈思黙考する習慣がつき、それらが自分の頭で考える力を養ったのです。
これらのユダヤ人のトーラーに支えられた“勉強法”は私たちも意識して取り入れることができるはずです。子育て中の人、地頭力を鍛えたい人などはぜひ読んでみてください。


アンダーラインポイント

つまり、20世紀の3大偉人といわれた、マルクスやフロイト、そしてアインシュタインに共通しているのは、程度の違いこそあれ、3人ともユダヤ教の聖典や祈祷書を学び、民族の言葉であるヘブライ語に触れていた、という事実である。

ユダヤの先祖たちは、子供たちに神から与えられた掟を教えるために、最もよい方法として、子供たちにトーラーを読んで聞かせるということをした。

ユダヤ人がなぜこれほどまでに熱心に教育に取り組み、学びにこだわるのかというと、ユダヤ人はその長い離散の歴史の中で、生き残るためには高い知性をもつか否かにかかっていたからなのである。常に秀才の中の秀才であらねばならず、最高の中の最高の存在でなくてはならない、とユダヤの人々はいう。

それもイェシバーで私が見たユダヤ人の勉強法というのは、単にテキストを声を出して読むだけではない、上半身をキツツキのように前後にゆすりながらひたすら声を出して読むのだ。上半身だけではない、膝を折り曲げたり、伸ばしたり、お尻を引いたり出したりと、身体全体で読んでいる。

トーラーを読めるようになることがユダヤ人としての義務だったため、ユダヤ人は数千年にわたって少なくとも男子はほぼ全員、常に読み書きができたのだ。

ではユダヤ人は幼い頃から学んでいるトーラーからいったい何を学んでいるのだろうか。それは国語と歴史、そして信仰(道徳、もしくは人間としての生きる道)である。

ユダヤ人の勉強法は徹底した音読と暗記である。それは、ただの音読ではない。声を出して読みながら身体を動かし、時にはその読んでいる文章に節をつけて、歌うように読む。この音読と身体を動かすことが脳を活性化し、歌うことが記憶力を高める。このユダヤ人の勉強法こそが、ユダヤ人の優秀な頭脳をつくりだしてきた、ともいえるのだ。

この「安息日」は、驚くべき民族の「知的財産の生み出しシステム」といえないだろうか。私は、「安息日」がユダヤ人の勉強する力の根幹に位置する「知のシステム」だと感じる。
1週に1度、金曜日の夕暮れから翌土曜日の夕暮れまでの24時間、食事と眠るだけを除いては、読書をし、沈思黙考し、そして家族で語り合う。それを、なんと「民族の掟」としているのである

1週24時間、1年52週、その1年ごとの集積、数千年、各家庭の場が民族的「学びの時空」になっているのだ。


目次

はじめに
プロローグユダヤ人はあらゆる知的領域で活躍している
第1章 ユダヤ人の勉強法
第2章 ユダヤ人とトーラー
第3章 ユダヤ人と暗記
第4章 ユダヤ人と安息日
第5章 ユダヤ人と母国語教育
第6章 ユダヤ人と祭り
第7章 ユダヤ人と戦争
第8章 ユダヤ人と歴史
第9章 ユダヤ人とディベート
エピローグイスラエル建国の父に学ぶユダヤ人の生き方

そういえば、高校生の時教科書を丸暗記するのに歩き回りながら音読していました。

恋なんて、少し不幸ぐらいがちょうどいい

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは2002年に『肩ごしの恋人』で直木賞を受賞した作家、唯川恵氏の『恋なんて、少し不幸ぐらいがちょうどいい』です。『an an』『コスモポリタン』に連載されていたエッセイをまとめたものですが、恋をする女性達が直面する等身大の悩みや迷いに同じ目線でエールを送っているところが、著者のエッセイの“味”となっています。
コンプレックスが大切だと書かれていますが、大成功している人たちの前を向くモチベーションを支えているのは、実はコンプレックスである、ということがとても多いように感じます。事象には“陰と陽”の側面があり、あらゆる“陽”を見いだし、味方にすることができる人が、幸せになり、成功し、恋においても満たされていくのです。
本書の中で、20代の頃と著者の40代の今では、同じ恋の1シーンをまったく違う視点で捉えるようになっていて、著者自身の女性としての成長を見ることもひとつの面白さになっています。
寒い夜に、ベッドに入る前にパラパラとめくり、自身の恋愛感と比較してみる、なんていうのも、楽しいかもしれません。


アンダーラインポイント

どっちの男の別れ方の方がよかったか、なんてとても言えない。
どっちも、ショックには変わりない。
ただ、その時点のつらさで言えば、「もう、好きじゃない」の方がつらかった。一生立ち直れないと思ったから。
でも、現時点で言うなら、「嫌いになったわけじゃない」男の方がひどい奴だと思っている。あの、連絡を待ち続けた半年を返して、と言いたい。

恋の始まりは、よい予感の方が当たるけれど、恋の終わりは、悲しいけれど、悪い予感の方が当たる確率が高くなるように思う。

恋人が欲しい。
その前に、身につけておかなければならないことがある。
恋を見いだす力とでも言うべきか。
これがあるとないでは、恋人生はまったく違ったものになる。

コンプレックスって、とても大切なものだ。
持つことによって、謙虚になれるし、人の痛みもわかる。

心のどこかで、
「私はね、あなたのために、また土日をボーっと過ごすことになったのよ」
と、恩着せがましさも持っていたような気がする。
もし、あの時、適当に他の男の子とデートしていたら、後ろめたい気持ちが発生して、相手に対してもっと寛容になれただろう。会えないことの愚痴も言わなかっただろうし、彼の毎日を詮索するようなこともなかったに違いない。

いろいろ苦労もあるけれど、どうせ遠距離恋愛に陥ってしまったのなら、距離に追い詰められるのではなく、距離を楽しまなくてはね。
そのためにも、自分をきちきちに縛らないことだと思う。義理とか、約束とか、悪い想像とか、噂話とか、他人の遠距離恋愛の結末とか、気にしないで大らかにかまえていることが必要なんだと思う。

顔って不思議、本当に不思議。
美人が一生、美人でいられる可能性って、実は想像よりずっと低いと思う。
美人じゃない子が一生、美人でないまま終わるということと、同じくらいの確率かもしれない。
人生って、これで結構、辻褄が合ってるのかもしれない。

人っていうのは、そうそうカッコ悪い自分なんて見せたくないわけで、つまり、それを堂々と見せられる相手というのは不動に地位にいるような気がした。そういう夫婦関係がすごく羨ましかった。

「ありのままの自分を好きになる」
この言葉に力づけられた人はたくさんいると思う。
私だってそのひとりだ。
けれど、ある意味とっても怖い。
人をどんどん“イヤな女”にしてしまう。
だから時と場合を考えて使うようにしなければならない。


目次





40代半ばで結婚された著者の旦那さんはきっと素敵な人に違いないと、本からも推察できました。

脳と心の洗い方

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは脳機能学者、計算言語学者でありイェール大学認知科学研究所研究員の苫米地英人氏の『脳と心の洗い方』です。オウム真理教信者の脱洗脳に携わり、国松長官狙撃事件の実行犯のオウムによって消去されていた記憶回復を行い話題となりました。
私たちは親の教育や、世の中の情報によって洗脳され、オリジナルの思考パターンではもはや生きていないといえます。同様に、なりたい自分の姿を詳細に思い描き、自分自身の「大いなる勘違い」によって「なりたい自分」になることも可能であると著者は言います。
アンダーラインポイントは多く引いていませんが、本書のほとんどは「なりたい自分」になるための脳科学的な思い込み方法の手引きであり、方法が書かれています。
疑うことなく、「大いなる勘違い」によって、潜在意識にまで浸透し、現実を引き寄せてくるという方法は、昨今の人気「引き寄せ原理」と通じる部分もあります。
スピリチュアルでもカルトでもなく、現実論としての脳への働きかけで、目標を達成する方法です。思考が現実を創造するという、そのさいたるものとして本書の存在意味は大きいと思います。潜在意識に働きかけをして、理想の生き方を手に入れるための手助けをしてくれる1冊です。


アンダーラインポイント

オリジナルの思考パターンを取り戻さない限り、あなたの人生は何をやっても変わりません。それは、他人の思考パターンの中で生きることを意味するからです。
そうなれば、自分の好きなような人生にならないのはあたり前です。

「我々はすでに知っているものしか認識できない」

私たちが見ている、認識している世界は「そういうふうに認識してほしいと思っている人たち」が「あなたがそういうふうに認識するように提示したもの」にすぎないということ。
実は、私たちが認識しなければいけない世界は認識し損ねている世界だということです。

「なりたい自分」になるためには、自分自身をもだます「大いなる勘違い」状態を作る必要があります。


目次

Prologue 「なりたい自分」に変わる危険で強力な技術とは?
Chapter1 あなたの思考パターンはオリジナルか?
Chapter2 いたるところにある洗脳
Chapter3 「なりたい自分」になるために知っておくべき四つのこと
Chapter4 「なりたい自分」を現実化する方法
Chapter5 トマベチ流「なりたい自分」になれるトレーニングプログラム
FinalChapter 終章 現実世界から目覚めよう!
おわりに

目標とするシーンで着ている服も設定に入れるのです。まずは、服を買いに行ってみよう。

稲盛和夫の論語

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは株式会社ハードコーポレーション代表取締役社長で作家、歴史研究家でもある皆木和義氏の『稲盛和夫の論語』です。著者が京セラ株式会社名誉会長稲盛和義氏からとったインタビューと稲盛氏の著書の中から名言を抜粋し、論語とからめて解説を加えた形になっています。論語の原典にあたるにはちょっと荷が重い、と感じる人には、楽な形で論語に触れ、稲盛氏の弟子である著者が師の教えとともに平成の世の中に合った倫理観を展開しているので、気軽に論語が学べます。
「仁、儀、礼、知、信」というフィルターを通して生き方、仕事の仕方を見た場合のアドバイスがされており、論語を現代社会用に変換したやさしい自己啓発書となっています。
古典に親しむことで、教養を磨き、ビジネス書としての解説は、行動を磨いてくれます。
直面している問題に、真摯な気持ちで取り組みたいと思っている人はぜひ読んでみてください。


アンダーラインポイント

孔子は「仁をもって生きる」ことが人生の目的だと述べました。仁とは利他の心、つまり、思いやりや慈しみです。相手を思いやり慈しむ心をもって生きることが人生の意味だと断言したと言えます。

あなたがどう動くのか、あなたがなぜそれをやるのか、あなたがどこで満足するのか-いつも他人から見られています。あなたの動きは常に「善」と「利他の心」が介在しているでしょうか。「私心」や「私利私欲」で、正しい価値の感覚が麻痺していませんか。

曾氏の言葉を意訳するならば「その昔、先生のところで一緒に学んでいた先輩たちは、どんなに賢くても天狗になることはなかった。後輩に対しても、レベルと目線を下げてわかりやすく話していた。この奥ゆかしさが懐かしい」と言えます。
すなわち、この曾氏の言葉からは「周りにいるどんな人間も自分の師である」という「謙虚さ」を学ぶべきなのです。

達人の定義について述べる孔子の言葉は興味深いものです。真の達人は、正直で正義を大切にし、他人の考え方を理解しようと努める。相手の心の奥深くまでを考えて謙譲の気持ちで行動し対応する人間だ」と。

孔子は言った。「私はかつて食事もせずに徹夜で考えたことがあった。無駄だった。学ぶことには及ばない」と。

孔子は言った。「賢人を見れば自分も同じような優れた人物になろうと努力し、つまらない人間を見れば自分にも同じような欠点がないかみずから反省すべきである」と。

孔子は言った。「私は生まれながらに道を知るものではない。古い書物や先人の説いた道に興味をもち、精力的に学問を続けている人間だ」と。

きれいな心で描いた願望でなければ、すばらしい成功は望めません。たとえどんなに強い願望であっても、私利私欲に端を発しているのなら、決して長続きはしません。


目次

はじめに
1 「生き方」の章
2 「成長」の章
3 「仕事」の章
4 「道を拓く」の章
5 「組織者」の章
6 「経営」の章

私もやっぱり“性善説”が正しいと思っています。

セレブはぜったい太らない

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメはエピキュリアン(幸せ愛好家)松真理子氏の『セレブはぜったい太らない』です。インパクトのあるタイトルですが、内容は実に堅実なプロトコール(国際儀礼)を中心としたマナー本です。
本書で“プチセレブ”と位置づけている、一般女性でも心がけ次第ですぐに実現できる“品格のある女性”像は多くの女性たちが勇気付けられるポジショニングになっています。
本書の構成が「本物セレブへのステップアップ術」と「偽セレブの罠」というように、OKとNGを具体的に示しているところが、とてもわかりやすく、たった今からわが振りを直すアドバイスとなってくれます。
昨年大ベストセラーの『女性の品格』同様、ごくあたりまえのことを、あたりまえとしてできている女性は少ないわけです。わが身を反省する意味でも、本書で言うプチセレブ生活を完璧にマスターするところから、本物セレブへの一歩を踏み出してみると良いと思います。セレブへの入門書としておススメの1冊です。


アンダーラインポイント

義務も果たさず無駄な大量消費をして、面白おかしく生きているだけの人は本物のセレブではありません。

本物セレブのネイルは短めでナチュラルなのに対して、偽セレブの爪はやけに長く、ごてごてと飾り立てられ、けばけばしいばかりです。

赤ちゃんに負けないくらい、笑顔が魅力的な人になりたい。
セレブになりたい人なら、誰でもそう思うのではないでしょうか。
なぜなら本物セレブは幸せな人、自分や周囲の環境に満足している人だからです。

最近、偽セレブの間では外国人のメイドサービスがはやっているそうです。
時間の節約のためでなく、自分でまったくお料理が作れない、素材がわからないというのは面白いことでもかわいいことでもなく、教養がないということです。

サロンへは定期的に行き、必ずプロのトリートメントや地肌のエステを受けることが大事です。
忙しいからと予定を延ばすより、手帳に次回予約日を書き入れて、優先順位の上位にしておくと、あなたの見た目の美しさはいつも高値安定しているはずです。

「プレゼントは何が欲しい?」と聞かれてもセレブは物を欲しがりません。
必要なものはすでに持っていますし、欲しいものは誰かがくれるのを待つこともなく、自分の力で手に入れているからです。

本物セレブとはご馳走いただいたときには、心から感謝できる人です。
ですからお店を出るときに、きちんと「ご馳走様でした」とお礼を言う、さようならをするときにも、「今日はありがとうございました。ご馳走様でした。」と改めてお礼を言います。
そして、次にお会いするのが1ヵ月後だとしても、それ以上だとしても、「先日はご馳走様でした」と忘れずにお礼を言う習慣があるなら、それは丁寧なセレブ流です。

では、どこが最上の席かというと、それは中央の一番目立つ席ということになります。
完璧にドレスを着こなす気品のある女性を、いちばん目立つところに案内することは、レストランの空間に最高にゴージャスなフラワーオブジェをアレンジしうるよなものです。


目次

はじめに
Chapter1 外見からセレブになる
Chapter2 振る舞いからセレブになる
Chapter3 マナーからセレブになる
Chapter4 心がけからセレブになる

きれいな気持ちで過ごしていれば、確かに太らない気がします。

投資される女、消費される女

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは1997年日本経済新聞社が実施した「企業に最も評価されるコンサルタント会社ベスト20」に選ばれたレインゲイト株式会社代表取締役酒井光雄氏の『投資される女、消費される女』です。女性の中でも“負け組み”“勝ち組”は結婚や、子供の有無など物理的条件でカテゴライズされてきたことはありましたが、本書では時間、お金、知恵、手間といった表面的に見えにくい価値を獲得してきたか否かで女性の偏差値をはかっています。
逆に言うと投資する男性の数も圧倒的に少ないわけで、女性に投資することのできる度量、金銭的、時間的余裕、などを持ち合わせた男性であるかどうか、を世の男性に問うてみる必要性も感じました。
投資される女性はどこに行っても投資され、消費される女性はどこまでも消費されます。恋愛の中の加速度的に二極化する格差社会で生き残る方法が本書にあります。
好きな男性に大切にされたい、好きな男性を頑張らせたい、と思う女性はぜひ読んでみてください。



アンダーラインポイント

男性が女性に、時間やお金、知恵や工夫を投入すること、これを投資すると言います。そして、それが相手の女性はもちろん、男性自身にもプラスになること、これを投資に成功すると言います。

自分が投資をしたいと思う女性になら、たとえお金が使えなくても、心ある男性は、その分、知恵を使い、工夫をして、手間や時間をかけるのです。

一方で男性が女性に対して、時間やお金、工夫や手間をかけることを惜しみ男性の都合のいいように付き合うこと、これを消費と言います。

女性に投資する男性は、大切にしている女性が感動する姿や嬉しいという言葉を口にすることが何よりも心地よいことを知っています。

女性は愛する人からいかに大事にされ、時間と手間を使われたかによって、顔立ちや表情、そして外見から察する年齢まで変わってきます。女性は20代までは親からもらったもの(たとえば容姿です)で勝負できます。ですがその後はいかに最愛の人から心に投資されたかによって、大きな違いが表れます。どれだけ高価な洋服や宝石を身につけた人でも、心に投資された女性の美しさにはかないません。

自分は投資され、相手から大事にされていると実感できる女性は幸せにあふれています。そして人の幸せを素直に喜ぶことができます。ねたむこともありません。それは自分がいつも幸福感に満たされているからです。

投資する男性は最愛の人のために何ができ、またどうすることで相手の女性を喜びで満たせるのかを考えて行動しているはずです。経験したことのない感動や思い出を手渡されるのは、とても嬉しいものです。ですがそれ以上に満たされるのは、投資する男性がいつも自分のことを大事にしてくれ、感動することに絶えず知恵を使ってくれる姿を隣で見て、感じるときでしょう。

女性らしさを絶えず意識し、女性らしさを実感する機会をつくってください。

男性を愛してしまうと、1部の女性はすべての時間を相手と共に過ごし、いつも一緒にいたいと考えがちです。しかし、これは女性には得策とは言えません。いつでも会える人に、男性はその価値を軽く見る傾向があるからです。

彼女たちが必ずしていることは、前述した輝く笑顔と共に「どうもありがとう」と感謝する言葉のプレゼントです。大切にされることを当たり前だと思った瞬間に、幸せは霧散してしまうことをきっと知っているのでしょう。

相手の持つ可能性を伝え、その可能性を誰よりも強く信じて応援してください。

尊敬できてしかも相談に乗ってもらえる年長者とは、知恵を貯金していて、知恵の金利を若者に分け与えてくれる存在だと思います。魅力的な大人たちの周囲には、必ず投資家予備軍と投資される価値を持つ女性がいます。


目次

はじめに
第1章 投資される女性と消費される女性
第2章 投資家の正体、消費家の招待
第3章 女性が考える「投資される女性」の誤解
第4章 投資か消費かを見抜く7つのセオリー
第5章 あなたの投資家が生まれるとき
第6章 心に投資されてあなたは輝く
第7章 投資される女性になる
第8章 幸せなふたりであり続けるために
第9章 投資される女性の約束事
おわりに

まずは身近な彼や夫に投資されているかチェックしてみましょう。

ことばに感じる女たち

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは人工知能AIの研究開発に携わった後、ことばの感性研究を始め、現在㈱感性リサーチ代表取締役黒川伊保子氏の『ことばに感じる女たち』です。女性は毎日好きな男性に「愛してるよ」「きれいだよ」と言って欲しいのは、実は脳の構造がそうなっているからなのです。女性脳の現実=ことばであり、男性脳の現実=行動であることから、毎日すれ違いやいさかいが起きる。脳の違いを認識することで、性差を理解し、お互いの理解を深め合うことがポイントになると著者は言っています。
また、約束を反故にしてしまったとき、男性は女性になんと言えば許してもらえるのか、男性脳は事情の説明を一生懸命してしまうが、女性脳はひたすら自分を気遣って欲しい。それらの物理的な違いが明確に書かれていますので、むしろ奥さんや、恋人といさかいなくうまくやって行きたいと思っている男性こそ必読の1冊です。


アンダーラインポイント

女は「ことば」でイク-という定説は、本当である。
けれど、それはベッドの中で褒めろという意味ではない。
必要なのは、日常のシーンにおける、心のわだかまりを解く「ことば」である。
ベッドに入る前に、「ことば」の勝負は決まっている。女のわだかまりを上手に解いてやれる男は、ベッドで無口でも一向にかまわない。

女性脳はことばを男性脳の何倍も味わうので、「現実」とは「ことばそのもの」なのだ。見たことより、実際の行動より、ことばの記憶が優先することも多い。

ケーブルの細い男性脳は左右の像の差が明確で、奥行き情報の計算が得意です。このため、赤ん坊の頃から奥行きに興味が行き、世界を三次元空間として立体視することに視覚統合野の計算能力を使うようになります。

一方ケーブルの太い女性脳は、左右像の情報が混じるので、奥行き計算が苦手です。

女性は、心細かった30分を償ってもらいたいのであって、「私」に心細い思いをさせたのに値する理由を聞きたいわけじゃない。遅れた理由を振りかざせば、その理由が「私」より大事だったのだ、ということになってしまうでしょ?

仕事のために、子供の運動会に行けなかったら、仕事がどんなに大変か言い募る前に、妻に「あいつの走る姿、見たかったなぁ。お昼、うちだけパパがいないのも寂しいだろうなぁ」と言ってあげればいいのです。そうすれば、妻も、「お弁当、特別豪華にしてがんばるわ。あなたもお仕事がんばって」という気になる。

健康な女性脳なら、何をしていても、「割り込み」がかかります。特に、愛する人や生活や子育てに関する「直感」は、常に思考空間に飛来しています。


目次

文庫版まえがき
第1章 ことばは音であって音ではない
第2章 語感の正体を科学する
第3章 かくも厄介なる女性脳
第4章 ことばに感じる女たち
第5章 なぜオバサマたちはヨン様にときめいたのか
第6章 ことばを制せば関係を制す

女性脳の私はいつでもあなたのことを想っていますよ。

おひとりさまの老後

こんにちは西村有紀子です。今日のおススメは東京大学大学院人分社会系研究科教授で、専門は女性学、ジェンダー研究の上野千鶴子氏の『おひとりさまの老後』です。
「長生きすればするほど、みんな最後はひとりになる」という冒頭のことばはインパクトがあります。特に女性の平均寿命は男性よりも約10年長く、男性の方が年上であるケースが多いとすると、結婚をした女性だったとしても10年以上は“おひとりさま”になるのです。最後の余生をどう過ごすか、どう最後を迎えるのか、は自己責任になってきます。
子どもがいたとしても、親の介護は疎まれやすく、金銭的、時間的負担を支えきれる保証もないため、公的機関にお世話になることを前提に考えておく必要があります。
離婚や死別で再びシングルになった“シングルアゲイン生活”をエンジョイする方法、潰えの場所としてどこを選ぶのか?といった疑問に答えてくれる1冊です。
まだ老後のことなんて・・・と思うかもしれませんが、備えあれば憂いなし。今から真剣に考えてみたいテーマです。


アンダーラインポイント

長生きすればするほど、みんな最後はひとりになる。
結婚した人も、結婚しなかったひとも、最後はひとりになる。
女のひとは、そう覚悟しておいたほうがよい。

下層では、同居したくても子どものほうにその余裕がない“姥捨て別居”、上層では同居できるだけのゆとりはあるが、あえて別居を選ぶ“選択別居”。これに対して中層では、親を見捨てるにはしのびないが、二世帯を維持するだけのゆとりまではない“しぶしぶ同居”と解釈することができるだろう。

日本の社会では、「いっしょに住んだら」と言ってあげることが愛情の踏み絵のような役割を果たしているが、そもそもそれがまちがいだ。

中途同居したあげく、介護の負担に耐えかねた子供から、結局どこかのケア付き施設に入居することを迫られるくらいなら、住みなれたわが家で最後までひとり暮らしを選びたい。

家族も仕事も卒業して、自分のためだけに使えるありあまる時間をエンジョイしようと思ったら、そのための最低の条件は、自分だけの住まいをもつことだ。

お年寄りの「家に帰りたい」というのぞみは、たんに「自分の家というスペースに帰りたい」という意味ではないのか、とわたしはかねてより疑っている。日本語の「家」ということばは、誤解をまねきやすい。「家に帰りたい」という希望と、「家族といっしょに暮らしたい」という希望をとりちがえるから、ややこしくなるのではないだろうか。

安心して一人暮らしができる場を確保するにはどうすればよいのか。それに対する答えが、コレクティブハウスである。

人口の集中する都市部ほど、行政も民間企業も、NPOや非営利の市民組織などでも、介護資源の選択肢が多いことはだれしも認めるところだろう。ケアの質が健全な市場競争に依存するとしたら、介護資源の選択肢が多いかどうかは死活問題だ。

家族はやがて去る。仕事も仕事仲間もいつかはいなくなる。そのあとに残るのは、友人たちである。シングルは自分の時間とエネルギーを、家族のために使ってこなかった代わりに、友人をつくり、それをメンテナンスするために費やしてきた。

ここ数年の私の大晦日の定番は、シングルの男女4人での年越しソバとシャンペンのカウントダウンパーティ。年越しソバは、これも友人のソバ打ち名人がその日に打ったものをつゆ付きで届けてくれる。この4人はいまはや「大晦日ファミリー」とでもいうべきもの。

孤独とは、ふたつのつきあい方しかない。まぎらわせるか、向き合うか。

“あなたの居場所”とは「ひとりっきりでいても淋しくない場所」のこと。

女を“女役割”にしばりつけているのは、夫や子どもではなく、自分自身だ。晩ごはんにおかずが3品以上ついていないと夫に殴られる妻よりも、3品以上そろえないと自分の「気がすまない」妻のほうが多いのではないだろうか。


目次

はじめに
第1章 ようこそ、シングルライフへ
第2章 どこでどう暮らすか
第3章 だれとどうつきあうか
第4章 おカネはそうするか
第5章 どんな介護を受けるか
第6章 どんなふうに「終わる」か

親友を大切にしよう!